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「学生応援村」がオンライン傾聴 ウィズコロナ時代のボランティアSNS活用で

「学生応援村」防災の日の傾聴ボランティアの様子(右が代表の大井晃亮さん)

「学生応援村」防災の日の傾聴ボランティアの様子(右が代表の大井晃亮さん)

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 地域活性化・コミュニティーの再生を目指す「応援村」と連携する大学生ボランティア団体「学生応援村」が、SNSを活用した傾聴ボランティアなど、ウィズコロナ時代の新しい災害ボランティア支援活動を行っている。

防災の日の傾聴ボランティアに参加した皆さん

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 「学生応援村」は、早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科修士課程2年の大井晃亮(こうりょう)さんが中心となり2020年7月24日に設立。早稲田大学、上智大学、立命館大学、慶応義塾大学などから約300人の学生が参加して活動している。

 大井さんは「私自身が群馬県の出身で、上京後、東京と地方との格差に課題意識を持った。これまでの活動が縁で、早大総長室の推薦で応援村に参加。活動を通じて、『全国のさまざまな地域で懸命に生きる人たちを応援し、地域活性化・コミュニティーの再生を目指す』という応援村の理念に強く共感し、私から応援村の池上事務局長に『学生応援村を立ち上げさせてください』とお願いした」と発足の経緯を話す。

 活動の一環として、9月1日の防災の日に、早稲田大学戸山キャンパス(新宿区戸山1)内の学生会館で大井さんら早大生3人がオンライン傾聴ボランティアを行った。新型コロナウイルス感染症により、これまでのように他県から現地へ赴いてボランティア活動を行うことが容易ではないことから、新たな災害ボランティア支援活動としての試み。

 大井さんらは、事前に「いのちの電話」でスーパーバイザーを務める竹内小代美(さよみ)心療内科医師によるオンライン講座を受講し訓練を受けた。当日は、連携するフェイスブックジャパンが提供するビデオチャットサービス「Messengerルーム」を使用して、2019年8月に発生した豪雨災害から1年を迎える佐賀県武雄市の被災地の人たちに40分間の傾聴ボランティアを行った。

 大井さんは「事前の講座での学びから、被害状況にはあえて触れず話を伺った。遠くにいる学生が相手だからこそ、心情をさらけ出すことができるということもあると感じた。心的距離を縮めるために、その土地の地名や歴史などを事前に学習しておけばよかったなど反省点も。ただ、オンラインでできることには限界がある。今後は現地の学生との連携などによってオンラインとオフラインの両輪で役目を果たしていきたい」と話す。

 「コロナ禍や災害で学校に通えない子どもの学習支援や遊びの場をオンラインで用意するなど大学生が適した活動もある。『Facebookページ』や『Messengerルーム』をコミュニティー形成に役立てながら、さまざまなかたちで『ウィズコロナ時代の新しい災害支援』を行っていきたい」と大井さんは意気込む。

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