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早大近くの油そば専門店「武蔵野アブラ学会」が10周年 「学生の思い出の味に」

「武蔵野アブラ学会早稲田総本店」の皆さん(撮影のためマスクを外している)

「武蔵野アブラ学会早稲田総本店」の皆さん(撮影のためマスクを外している)

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 西早稲田の油そば専門店「武蔵野アブラ学会早稲田総本店」(新宿区西早稲田1)が9月15日に10周年を迎え、10月10日に感謝祭を行う。

武蔵野アブラ学会の秋の季節限定「炙りトマトチーズ油そば」(850円)

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 国際基督教大学の学生寮で一緒に生活していた共同創業者の木村考宏さんと角幡陽平さんと友人の3人で立ち上げた同店。木村さんと角幡さんの兄弟が早稲田大学に通っており、土地勘があり現在の店舗に出店することに。角幡さんは「出店する際に、早稲田で学生生活を過ごした知り合いに立地をどう思うか聞いたが、その当時は22号館がなく『学生がほとんどいないエリア』だと言われた」と笑顔で振り返る。

 大学卒業後、木村さんは就職し、バイヤーとして米国カリフォルニア州など海外に出張していた。ニューヨークに合わせ早起きをする西海岸では、早朝からカフェが開いている。ミュージシャンが集い、演奏に対して投げ銭がされる現地の文化的なカフェに感銘を受け「いつか自分もカフェをやりたいと思うようになった」(木村さん)という。

 角幡さんは卒業後、画家を目指し、ドイツへ渡った。2年間の現地生活でドイツのパンのおいしさに触れ、帰国。その後、友人の結婚式で再会した木村さんと角幡さん。ドイツで食べたパンを提供するギャラリーカフェを一緒に作ろうと盛り上がり、飲食店の開業を目指すことにした。以降、角幡さんは自宅で天然酵母を使ったパン作りに励むようになった。周囲からもカフェに期待する声が多かったという。

 木村さんはまだ会社員であったため、角幡さんは後に店を一緒に立ち上げることになる友人に誘われ、パンの技術を教えるため、中国四川省に渡ることに。中国ではパン工場で仕事を教える予定だったが家庭用と業務用の違いに苦しんだ。現地では麺職人が製麺しながら客に見せるパフォーマンスに魅了され「何か持って帰らなくては」との思いで、製麺技術を習得、帰国した。

 その後、カフェのオープンに向け、木村さんが懇意にしていた米国のカフェで修業する予定だったが、想定外の金銭を要求されたため頓挫。木村さんも勤務先の退職が決まっており、カフェ業態かは別にして、何かをやらなくてはいけない状況に追い込まれていった。

 物件を探す中で、板橋区大山で物件が見つかり、木村さんの料理全般に対する知見、角幡さんが中国から帰国して麺の修業をしていたこと、店周辺の環境などから、2010(平成22)年3月、カフェではなくタンタン麺店(現在は閉店)をオープンすることに。賄いで出していた油そばが好評を得たため、同年9月に「武蔵野アブラ学会早稲田総本店」を開店した。

 11月には早稲田キャンパス西門近くにバー業態の「トナカイ小麦店」を、翌年1月には神田店をオープン(いずれも現在は閉店)。2012(平成24)年1月にはのれん分けで池袋店がオープン、2013(平成25)年に代々木店、2016(平成28)年に総本店近くにカレー専門店「ダルシムカリー」、2017(平成29)年に吉祥寺店、今年の3月には明大前店をオープンし、事業を拡大してきた。

 スタッフに外国人が多いことも特徴。木村さんは「開店した頃は外国人が接客することが、今ほど一般的ではなかった。うちでは開店当初から国籍関係なく重用し、当初から主役として働いてもらっていた。そのことが事業拡大のきっかけにもなった。池袋店は、もともとアルバイトだった中国人にのれん分けしている。彼らには本当に感謝している」と話す。

 2011(平成23)年にモンドセレクション金賞を受賞したタレを使う油そばは、早大生を中心に愛されるワセメシとして人気を誇ってきた。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、来店する客が激減する中、テークアウトや電子レンジ対応の油そばを開発し対応してきた。9月には自宅で同店の油そばを楽しめる通信販売を開始。即座に売り切れ、その後追加生産するも品切れが何度も発生する人気ぶりとなった。

 木村さんは「10年間はあっという間だった。華々しいイベントができれば良かったが、新型コロナの影響もあり、そういうわけにもいかない状況。通販を始めたところ、全国から注文が入っている。昔来てくれていたお客さんも買っていただいており、とてもうれしい。材料供給の壁も突破できたので、地方で一緒にやってくれる人が出てくれば、当店の味をもっと広めていきたい」と意気込む。

 角幡さんは「学生街には学生がだらーっと話ができる店、ご飯がたくさん食べられる店、楽しい思い出がある店が多い。当店もグループで入ってきて、話をしてもらえるような店にしている。学生が巣立っていく場所に立地していることもあり、自分たちが学生時代お世話になったお店のように、当店でたくさんの思い出をつくってほしい。これからも部室感覚で来てもらえれば」と話す。

 10周年を記念した感謝祭では、麺類を注文した客に次回以降使える半額券(武蔵野油そば大盛り・並盛用)を配布する。通信販売でも限定特典として、「特製黄金ラー油」のプレゼントを企画する。応募方法はツイッターで公表する。営業時間は10時30分~翌2時。

 (10月8日追記)台風14号(チャンホン)接近の影響で、感謝祭は10月17日に、通信販売のプレゼント企画は10月16日23時~にそれぞれ延期する。

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