高田馬場経済新聞

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「博多ラーメンはなぜ臭いのか」 高田馬場のラーメン店主が追求、スープから枯草菌

高田馬場の博多ラーメン「でぶちゃん」の特製博多ラーメン(1,010円)

B!

 ラーメンコンサルタントで「渡なべスタイル」の代表・渡辺樹庵さんと高田馬場の博多ラーメン「でぶちゃん」の店主・甲斐康太さんが「博多ラーメンはなぜにおうのか」を解明する取り組みを行っている。

高田馬場の博多ラーメン「でぶちゃん」のスープに使われる豚の頭部

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 ラーメンコンサルタントで「渡なべスタイル」の代表・渡辺樹庵さんが経営するラーメン専門店「渡なべ」(以上、新宿区高田馬場2)で限定メニューの豚骨ラーメンを出そうと準備していた際、「特有の匂いが出ない」とツイートしたところ、甲斐さんが種スープの提供を申し出た。渡辺さんは「なぜ臭くなるかロジカルに理解したい」と考えていたため、申し出を断り、独自に匂いを追求していくことにした。

 それをきっかけに、渡辺さんのユーチューブチャンネル「渡辺樹庵のここだけの話」で「クサイ豚骨を作りたい!」と題し、意見を交換。「あく抜きが足りない、下処理が粗いなどという人がいるが、大きな勘違い。自分たちはあのにおいをあえて出したくてやっている。出したくてもなかなか出せない」など、博多ラーメン特有のにおいの話で盛り上がった。

 甲斐さんは「本場の臭い博多ラーメンを作れる人は多くいるが、なぜ臭くなるのかを説明できる人はほぼいない」と話す。「呼び戻し」と呼ばれる方法でスープを作っている店の博多ラーメンはにおいが強かったり、スープを使い切る店ではにおいが弱かったりすることから、なんらかの菌が影響しているのではないかと仮説を立てた。

 ポーランドでラーメン店を営む知人が博多ラーメンのスープを検査したと知った甲斐さん。自身でも検査しようと、食品微生物センター(神奈川県小田原市)にスープを送り検査したところ、食中毒の原因になる大腸菌は陰性で、好気性芽胞形成菌の検出報告を11月23日、受けた。

 好気性芽胞形成菌にはさまざまな菌が含まれるため、さらに特定するために食環境衛生研究所(群馬県前橋市)に培養検査を依頼。「Bacillus subtilis/amyloliquefaciens」の検出報告を受け、土壌や植物に存在する納豆菌なども含まれる枯草菌であることが昨年12月22日、分かった。

 甲斐さんは「沸騰させ続けては駄目で、冷ましたり加熱したりを繰り返さないとあの匂いは出ない。熱に耐えられる好気性芽胞形成菌の枯草菌が検出されたことで、博多ラーメンのスープの謎を解明する一歩となった。豚の頭を使っているので、口の中に餌に含まれる枯草菌が残っていたと考えられる。今後は温度や加熱時間との関係も追求していければ」と意気込む。

 渡辺さんも別に博多ラーメンの検証を進めており、今後も2人で博多ラーメンのスープを研究していくという。

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