見る・遊ぶ

早大の名物行事「100キロハイク」、参加者が大幅増 コロナ以前の規模を目指し

参加者が最も元気な状態のスタートの瞬間

参加者が最も元気な状態のスタートの瞬間

  • 37

  •  

 早大公認サークル「早稲田精神昂揚会」が「第62回本庄~早稲田100キロハイク」を5月24日・25日に開催し、800人超が参加した。

雨天の中をひたすら歩行する様子=早大の名物行事「100キロハイク」参加者が大幅増

[広告]

 埼玉県の本庄早稲田(埼玉県本庄市)から早稲田キャンパス(新宿区西早稲田1)を目指し、100キロ超を2日間かけて歩く、早大の名物行事。早慶戦、早稲田祭と並ぶ「早稲田大学三大行事」とされ、肉体的に負荷がかかるイベントとして知られる。コロナ禍以前は、毎年約1500人の参加者があったが、コロナ禍で2020年から延期や中止が続き、2022年に再開された第59回からは500人を下回る規模になっていた。

 同実行委員長の中村陽光(はるひ)さんは「コロナ以前の規模に戻すことを目標に、SNSの運用方法を変更して、より多くの人にリーチするとともに、各サークルへの呼びかけを重点的に行った。先輩たちによる再開後、毎年開催してきたことが下地となり、今回の参加者の大幅増につながった」と話す。SNSの運用では、早稲田祭のSNS担当者の協力を仰いだ。

 参加者の大幅増に対応するため、参加者に配布する食品や物品をフジパングループ本社、チェリオ、レッドブル、レック、日本たばこ産業から応援の協賛を得るとともに、「参加者に還元したい」という思いから弁当も用意した。同統括の園田尚弘さんは「800食の弁当を一手に作ってくれる会社がなく、複数の会社に依頼することになったが、自分の好きな唐揚げは全ての弁当に入れてもらった」と話す。宿泊所を2つに分けるなど、ここ数年なかった対応にも追われた。

 1区のスタート地点「JA埼玉ひびきの本店」を24日9時ごろに出発。2日間とも曇り空だったが、3区のスタート地点「ニューサンピア埼玉おごせ」を出発する17時30分ごろから雨天となり、3区は終始雨が降る中を歩くことになった。25日は、東京家政大学狭山校舎、入間市市民体育館を6時に出発し、早大所沢キャンパス、早稲田大学高等学院を経由して、ゴール地点の早稲田キャンパスまでを歩き切った。全体の約2割に当たる150人超が先頭集団をつくり、18時ごろに到着。22時30分ごろには最後の参加者が到着した。

 5区の途中で道を案内する「立ちんぼ」と呼ばれるスタッフがトラブルで不在になったが、参加者として歩いていた卒業生組織「100ハイ稲門会」に所属する実行委員会OBが急ぎ代役を務めた。6区では同じOBが歩行者の邪魔にならないよう声がけをし、それに呼応するように現役生からも歩行者に気遣うようにとの声が発せられた。道中では、街の人から「頑張れ」などの声援が送られ、手を振られたりする様子が見られた。

 初めて参加した男子学生は「昨年参加した友人に誘われ参加した。想像の50倍以上はしんどかった」と話し、ゴール地点に応援に来ていた友人に道中の思い出を話し続けていた。昨年も参加した男子学生は「こんな肉体的にきついイベントに、これだけの人数が集まることに感動した。早稲田が一番『男』の集まる大学だと感じた」と興奮気味に話した。

 現役時代に1度参加したという女性の卒業生は「現役時代は完歩したが、閉会式には間に合わなかった。今回は友人たちの励まし、他の参加者とのたあいない会話、沿道からの応援、実行委員会の手厚いサポートから力をもらい、何とか閉会式前にゴールし、23年越しの雪辱を果たすことができた。ゴールの際に見た大隈講堂の美しさや閉会式の熱狂は、生涯忘れられない思い出になった」と話す。

 開催を終え、園田さんは「来年も絶対参加してほしい」、同副実行委員長の新井蓮さんは「これからも100キロハイクは進化していくので、楽しみにしていてほしい。自分たちも皆さんの進化を楽しみにしている」、中村さんは「皆さんのおかげで夢のような時間を過ごせた。ありがとうございました」とそれぞれ話した。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース