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西武鉄道が高田馬場駅前で不法占有建物解体工事 戦後からの風景に終止符

解体されている高田馬場駅前の建物(6月17日撮影)

解体されている高田馬場駅前の建物(6月17日撮影)

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 高田馬場駅早稲田口の向かい側、西武新宿線の線路沿いにある区画で、「高田馬場不法占有建物解体その他工事」が行われている。事業主は西武鉄道。

解体工事の様子 その1=西武鉄道が高田馬場駅前で不法占有建物解体工事

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 対象となっているのは、早稲田通りに面して立ち並ぶ約10軒の建物。スマートフォン修理店、バー、食事所、チケットショップ、焼き肉店などがあった。解体工事のお知らせには、延べ床面積、敷地面積共に546平方メートルと記載されている。

 西武鉄道によると「詳細は分かりかねるが、戦時中、戦後の混乱期に建物が建てられた状態となった」という。長年、高田馬場駅前の風景として根付いていたが、徐々に営業する店舗が減っていたことから、近隣住民や近くの飲食店の経営者の中では、「いよいよ取り壊しになるのではないか」といううわさ話もあった。

 解体工事のお知らせが5月12日に掲出された後、ガス管撤去工事を6月13日に実施。16日からは解体工事の柵が取り付けられ、翌17日には仮囲いが設置。防音シートも施工されて、本格的に解体工事が始まった。工事は西武建設が行う。

 「建物の所有者および店舗経営者と個別に協議を行い、立ち退きにご協力を頂いたことから、解体工事の実施に至った」(西武鉄道)という今回の解体工事。工期は来年2月まで。解体後の使用用途は未定。

 駅前の交差点にあったため、高田馬場らしい風景として、多くの人たちの記憶に残っている。近隣の飲食店経営者は「何になるかは分からないが、駅前の好立地。飲食店などができた方が、街のにぎわい創出につながるのではないか」と話す。

 曽祖父の代から高田馬場で暮らしているという30代男性は「都内でも珍しい場所ということで、テレビの取材も多かったと記憶している。子どもの頃はアスファルトのでこぼこした道で、親からは行かないよう言われていた。細長い敷地なので活用も難しいと思うが、立ち飲み屋など、高田馬場らしい有象無象な感じが残るといいと思う」と話す。

 高田馬場に住む40代男性は「高田馬場駅周辺では、喫煙できる店やスペースが減っているせいで、ロータリー広場の喫煙所から人があふれている。決して広いとは言えないスペースなので、喫煙所や自転車の駐輪場などに活用するといいのでは」と話す。

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