
「手打蕎麦(そば)nobu」(新宿区高田馬場2)が高田馬場の神田川近くにオープンして、7月28日で1カ月がたった。
巣鴨の「手打そば 菊谷」で7年間修業した店主の藤井信勝さんがオープンした。以前は在宅医療を行う企業で長年働いてきたという藤井さんは、「残された時間が長くない方々を支援する中で、『今』を大切にする禅の考えに引かれていた。その際に『菊谷』のそばを食べて、味わいに感動したのと同時に自分の中でそばと禅が結び付いた。そばも禅も『静かな環境』『姿勢』『呼吸』が大切で、これを仕事にしようと決心した」と話す。昨年12月から今年2月まで、イタリアンバル「アントレ」(高田馬場2)で日曜に間借り営業をしていた。
出店場所は早稲田通りと神田川の間の路地裏。店舗面積は約12坪。席数は店内=18席、テラス席=4席。「静かにゆっくりそばを食べてもらいたいので、木の葉が擦れ合う音が聞こえそうな場所を探していた」と藤井さん。煎茶道や野菜ソムリエの資格も持つ藤井さんは「食事の際の環境やもてなし、食べ物の流れを大事にしている」と話す。
そばは福井県産の「大野在来種」と栃木県益子町産の「常陸秋そば」をメインに、3種類ほどを用意する。「大野在来種」は緑色の香りの強い粒だけを使った「うぐいすそば」で提供する。そばのメニューは「もり蕎麦」(950円)や2種のそばを提供する「利き蕎麦」(1,400円)、「鴨(かも)汁蕎麦」(1,800円)、「香味野菜ぶっかけ蕎麦」(1,350円)を用意する。
天ぷらは「胡麻(ごま)油の関根」のごま油で揚げており、「海老(えび)天ぷら」(770円)、「穴子天ぷら」(900円)、「季節の野菜天ぷら」(880円)を用意。その他、鈴廣の「板わさ」(900円)、「蕎麦前三品盛り」、池袋の丹羽豆腐店の豆腐に自家製湯葉をトッピングした「湯葉豆腐」(以上530円)や平飼い卵を使った「卵焼き」(390円)など藤井さんが食べて感動したものを提供する。
ドリンクはビール(小瓶520円、中瓶780円)などのほか、「四季桜」(1合700円)「浜千鳥」(1合1,000円)などの辛口の日本酒を10種ほど用意している。
藤井さんは「自分自身のことを思い返すと大切な時には必ずと言っていいほど、飲食店のすてきな空間で、料理やサービスを頂いてきた。今度は自分が地域の方々にとっておきのひとときを過ごしていただいて、恩返しができたら」と話す。
当面の間は土曜・日曜のみ営業。営業時間は11時~14時30分、17時~20時30分。