
高田馬場駅前の柳屋ビル地下1階にある「天串研究酒場 喰楽々(くらら)」(新宿区高田馬場2)が9月16日、5周年を迎えた。
名物の生卵から揚げる「たまごの天ぷら」=高田馬場駅前の「天串研究酒場 喰楽々」が5周年
店主は、和食の個室ダイニングで総料理長を経験した小堀賢司さん。2017(平成29)年、武蔵小杉で同名の店をオープンし、2020年に?地縁のある野方からアクセスの良い現在の物件に移転した。店舗面積は約8坪。客席は、カウンター=6席、テーブル=12席。
「今でこそ、天ぷらは高級感のある食べ物だと思われがちだが、江戸時代は大衆料理で、屋台では串で刺して食べられていた。そんな粋な伝統、文化である天ぷらを気軽に楽しんでもらえるよう串で刺して揚げるスタイルにしている」と小堀さん。店名は過去に勤務していて、思い入れのあった九州料理の飲食店「九楽々(くらら)」の1文字を変え、これまでのキャリアの続きを歩む決意を込めた。
付き合いの長い豊洲市場の水産卸から仕入れる食材を使う海鮮天ぷら串は、「まぐろ赤身天」「海老(えび)天」(以上280円)、身を開かず大葉に挟んで串に刺す「キス天」(250円)など8種。マイタケ、紅しょうが、長芋(以上200円)などの野菜天ぷら串10種、鶏肉、豚肉、かも肉(250円~)などの肉の天ぷら串5種も用意する。名物は生卵から揚げる1日限定20食の「たまごの天ぷら」(420円)。
マグロの希少部位、脳天を使うメニューにも力を入れる。「まぐろ脳天天ぷら串」(380円)、「脳天塩焼き」「脳天ガーリック竜田揚げ」(以上580円)、「山しょうががっちり照り焼き」(650円)を用意。海鮮では「天使の海老刺し」(620円)、生カキ(580円)も人気という。季節限定などの日本酒も常時10種類程度を用意している。
9月16日、17日には5周年を祝う感謝祭を開催。常連客をはじめ、多くの人がお祝いに駆け付けた。記念品としてコシヒカリをモチーフに、自身の腰痛を表現した「こしいたい」Tシャツ(4,500円)も制作。「大量注文もお待ちしている」と小堀さんは笑顔を見せる。
「5年間、大変なこともあったが、地元の野方に加え、近隣の常連さんが増えてきて、本当にありがたい。客層も20代から80代と幅広い。店で出会ったお客さん同士が結婚するということもあった。もっと高田馬場に愛される、地域型の店にしていければ」と意気込む。
営業時間は17時~24時。日曜・祝日定休。