
ワセダグランド商店会が地域イベント「早稲田かつおフェスタ」を現在、開催している。
試食会で提供した気仙沼の戻りガツオ=早稲田と気仙沼をつなぐ「早稲田かつおフェスタ」
ワセダグランド商店会は、馬場下町の交差点(新宿区馬場下町)から早稲田通郵便局(西早稲田3)付近までの早稲田通り沿いにある店の商店街組織。「早稲田かつおフェスタ」は、2011(平成23)年に発生した東日本大震災の翌年に復興支援の取り組みとして始まった。
震災発生後、気仙沼市の復興支援に早大生が関わっていたことなどがきっかけとなり、早稲田の街と気仙沼市の間に交流が生まれた。早稲田大学社会科学総合学術院の早田宰教授などの協力もあり、現在のイベントの形が出来上がり、初期には気仙沼から送ってもらった大漁旗を掲出するなどして、気仙沼市の認知向上に取り組んだこともあったという。
9月28日には、同商店会の「かわうち」「居酒屋もちだ」「ワセダ食堂」で、「今年のとれたて気仙沼カツオ大試食会」を開催し、気仙沼市から直送された戻りガツオを提供した。早大のまちづくりサークル「まっちワークグループ早稲田」のメンバーも街を行き交う人に声をかけ、多くの人が江戸東京野菜「早稲田ミョウガ」が添えられた新鮮なカツオを楽しんだ。早稲田ミョウガを添えるのは、江戸時代の川柳に「鎌倉沖の波に早稲田を合わせ」という句があり、鎌倉で取れたカツオに早稲田の名産品だったミョウガを合わせるのが粋だとされていたことが由来。
10月19日までの期間中、ワセダグランド商店会に加入する店で買い物をすると500円ごとに抽選補助券がもらえる。10月19日に早大早稲田キャンパスで開催される校友のためのイベント「稲門祭」で抽選会を行い、補助券2枚につき1回抽選。景品には気仙沼のホテルの宿泊券やカツオのたたき半身相当などを用意する。
新宿区立鶴巻図書館も関連イベントを展開する。10月12日、「東京江戸・伝統野菜研究会」代表の大竹道茂さんを招き、江戸東京野菜に関する講座「地元の野菜『早稲田みょうが』」を開催。10月14日まで1階展示2で、カツオや気仙沼、早稲田ミョウガに関する資料を展示している。
ワセダグランド商店会の滝吉道信会長は「早稲田かつおフェスタは、気仙沼と早稲田を結ぶ復興と交流の場。これまで早稲田大学周辺商店会、町会、早稲田大学の学生、OB・OGと連携し、企画や運営を共に進めてきた。これからも地域に新しい活力を呼び込み、気仙沼の魅力を発信しながら、商店街のにぎわいも創出し、学生、地域、被災地が一体となった持続的な発展を目指していければ」と意気込む。