
西早稲田の油そば専門店「武蔵野アブラ學会(がっかい)早稲田総本店」(新宿区西早稲田1)が9月15日に15周年を迎えた。
定番メニューの「武蔵野油そば」(並盛り)=早大近くの油そば専門店「武蔵野アブラ學会」が15周年
国際基督教大学の学生寮で一緒に生活していた友人3人で立ち上げた同店。最初の店は、2010(平成22)年3月に板橋区大山でオープンした担々麺専門店(現在は閉店)だったが、賄いで出していた油そばが好評だったことから、同年9月に「武蔵野アブラ學会早稲田総本店」を出店した。創業者のうち2人の兄弟が早稲田大学に通っていたことも出店のきっかけになった。
看板メニューは三河屋製麺の麺、モンドセレクション金賞を受賞した油そば専用特製たれを使う「武蔵野油そば」(780円)と「特濃油そば」(900円)。ランチやディナーのピーク時には行列ができるワセメシ(早大周辺の飲食店)の人気店となっており、「早稲田のソウルフード」と話す人も多い。現在は地下鉄東西線早稲田駅前で早稲田別館が営業するほか、代々木、明大前、吉祥寺、神田にも店舗を展開する。
10月7日には15周年祭として、先着100人に武蔵野油そばを100円で提供。その後来店した人には次回以降使える半額券を進呈した。10時30分の開店時には60人を超える行列ができ、最初に並んだ6人組の早大生は9時ごろから並んでいたという。6人組の一人は「授業を抜けてきた。家が近く、深夜まで営業しているので、よく来る。早大生の主食は油そばなので、これからもお世話になりたい」と話した。
10時50分には100人目の客が行列に加わった。100人目となった早大4年生の客は「ブラックカード(常連の証しとされる)になるくらい1年の時から通っているので、うれしい。これも何かのご縁なのかもしれない」と話した。
創業者の一人、チン正男さんは「もう駄目だ、何もかも捨てて夜逃げしたいと思ったこともあったが、15周年を迎えたのは皆さんのおかげ。これだけのお客さんに来てもらい、うれしい」と話す。同じく創業者の木村考宏さんは「お客さんが作ってきた店だと思っている。チャーシュのクオリティーを改善したり、牛すじを使ったカレーの提供を始めたりと新しい取り組みも続けている。建物に頑張ってもらって、20周年を迎えられるように努めていきたい」と意気込む。
営業時間は10時30分~翌2時。