早稲田大学応援部が「第72回早慶戦前夜祭 稲穂祭」を大隈記念講堂(新宿区戸塚町1)で10月28日、開催した。
豊島悠さんによる「伝統の勝利の拍手」 その1=早大応援部が早慶戦前夜祭「稲穂祭」
東京六大学野球・秋の早慶戦直前に、「打倒慶応」の士気を高めることを目的として開催する「稲穂祭」。「慶応義塾体育会應援(おうえん)指導部」との応援合戦や野球部の壮行会も行うことから、毎年早慶戦ファンが多く駆け付ける伝統行事となっている。
第1部では今年、東京六大学野球連盟が創設100周年を迎えることから、「東京六大学応援団ステージ」を披露。法大と東大は野球部の試合があったため参加できなかったが、慶大、明大、立大の応援部が駆け付け、各校の応援歌を披露。例年では見られないステージに会場から大きな手拍子と拍手が送られた。
第2部「早慶合同応援ステージ」は、「校旗・塾旗掲揚」から始まった。早慶戦の前に両校で合唱する「早慶讃歌(さんか)」、早慶戦90周年を記念して両校合同で作成し、歌詞で学校名だけが異なる「Blue Sky WASEDA/KEIO」などを披露し、会場を訪れた早慶戦ファンを沸かせた。
最後は、早慶戦で勝利した時のみ行われるとされる「伝統の勝利の拍手」を早大応援部の代表委員主将の豊島悠さんが披露。「歌舞伎における弁慶の六方を踏む様相を巧みに取り入れている」という同拍手。乱打から3拍子、4拍子、1拍子、2拍子と移っていく様に、会場内は静まり返り、豊島さんのパフォーマンスに見入る来場者の姿が見られた。
第3部「野球部壮行会」では、早大野球部が登壇。野球部主将の小澤周平さんは「豊島のパフォーマンスに圧巻されて、もともと負ける気はなかったが、もっと負ける気がなくなった。勇ましい姿を送るので、最後まで熱い応援をよろしくお願いします」とあいさつした。その後、豊島さんから小澤さんに、地域の人と早大応援部リーダーメンバーがメッセージを書いたボードが手渡された。校歌斉唱の後に、応援曲メドレーを披露し、慶大に必ず勝つ意気込みを表した。
会場には学生、卒業生、地元の人など約800人が駆け付けた。毎年見に来ているという来場者も多く、「今年は4年生のリーダーが1人だが、みんなが一体となっている感じで、後半が特に良かった」「例年と構成が違っていて、とても良いステージだった。絶対2連勝してもらって、有終の美を飾ってほしい」という声が聞かれた。
豊島さんは「4年間いろいろな思い出があったが、最後までやり切ることができ、感無量。自分の考えていた『稲穂祭』を形にできたと思う。週末の早慶戦は勝利するしかないので、早稲田を後押しできるよう、死力を尽くしたい」と意気込む。
東京六大学野球「2025秋季リーグ戦」で早大は5勝5敗、勝ち点2で現在3位。11月1日、2日に行われる早慶戦で勝ち点を挙げれば2位が確定する。早慶戦は両日とも13時から。