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早大近くの喫茶店のインタビュー集「カフェゴトーの記録」 変わり続ける店の記録

「カフェゴトーの記録」編著の瀬谷薫子さん(左)と「cafe GOTO」店主の後藤進さん

「カフェゴトーの記録」編著の瀬谷薫子さん(左)と「cafe GOTO」店主の後藤進さん

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 地下鉄東西線の早稲田駅前にある喫茶店「cafe GOTO(カフェゴトー)」(新宿区馬場下町7)の記録・インタビュー集「カフェゴトーの記録」(大和書房)が11月19日、発売された。

店頭に置かれた「カフェゴトーの記録」=早大近くの喫茶店のインタビュー集「カフェゴトーの記録」

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 「cafe GOTO」はフレンチの料理人だった店主の後藤進さんが、1991(平成3)年にオープン。メニューは、後藤さんやスタッフが毎日手作りするチーズケーキやタルトタタンなどのホームメードケーキとドリンクに絞っている。店の入り口すぐにあるショーケースに並ぶケーキが、早大生や卒業生、早大の教職員、近隣住民などから人気となっている。

 「カフェゴトーの記録」編著者の瀬谷薫子さんは、鎌倉にあるマフィン専門店「doyoubi」も運営する。12年前、早大の大学院に通う先輩がお土産で買ってきてくれたことで、「cafe GOTO」を知ったという。それから店に通うようになり、ウェブメディアの取材などを経て、後藤さんとの人間関係ができていった。瀬谷さんと一緒に仕事をしていた大和書房の編集者で早大卒の渡邊真彩さんも「cafe GOTO」を知っていたことで、出版の企画が持ち上がった。

 同書では、後藤さんや店のスタッフ、客の早大の教授などにインタビューを行い、さまざまな角度から店のエピソードを紹介する。客やスタッフと接することで、どのようにして現在の「cafe GOTO」が出来上がり、変わってきたかや、後藤さんの温故知新を大切にする考え方、店で出しているケーキのこだわりや背景などもまとめた。

 約20年前まではレシピはなく、後藤さんが1人でケーキを作っていた。スタッフから「手伝いましょうか」と言われたことがきっかけとなり作成されたケーキのレシピや、小説家の朝井リョウさん、料理研究家の内田真美さん、歌手の土岐麻子さん、タレント・演出家のテリー伊藤さんの寄稿も掲載する。写真は早大卒の写真家、川島小鳥さんが担当した。

 瀬谷さんは「今も続いているお店のイメージを決めてしまうような本ではなく、いろいろな人が見た、刻々と変わり続ける『cafe GOTO』の現時点での記録になるように意識した。後藤さんは、近道せずに34年間ずっとケーキを愚直に作り続けている。同じように地道に続けて、近道しない人に読んでいただくと、元気になってもらえると思う。長くいろいろな人の目に留まる本になれば」と話す。

 後藤さんは「いろいろな人が本を読んでくれて、感想を聞けたことが良かった。本を通じたお客さんとのコミュニケーションには、普段なら分からないようなこともあり、自分にもプラスになった。これからも変わり続けて、20年は生きたい」と意気込む。

 全国の書店で取り扱う。価格は2,970円。11月29日18時30分から、刊行を記念したトークイベントを開催する。「cafe GOTO」のインスタライブで配信予定。

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