早大のロボット研究室発のスタートアップ企業「Genics(ジェニックス)」(新宿区西早稲田1)がロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」の小型化、軽量化をした新商品を12月2日、発表した。
新商品のロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」その1=早大発スタートアップ「Genics」がロボット歯ブラシの新商品
同社は、早稲田大学先進理工学研究科でロボット工学を専攻していた栄田源さんが研究で培った技術を社会実装するため、2018(平成30)年に創業。手を動かすことなく、口にくわえるだけで口腔ケアができる「g.eN」を国際家電見本市「CES」で2019年に発表した後、歯科医や福祉施設と連携した実証実験や試作を繰り返し、介護向け限定モデルや子ども向けの製造販売してきた。
栄田さんは「電動歯ブラシは磨きたい場所に手で適切にブラシを当てることが必要。『g.eN』はロボットが均質に磨くという新しい体験を提供している」と話す。14個の小さなブラシが取り付けられたオリジナルブラシは、歯をなぞるように移動しながら回転して歯垢を除去する。2022年の日本ヘルスケア歯科学会で発表された研究論文において歯垢残存率22.4%という結果が報告され、「口腔衛生状態として良好とされる基準を満たすことが実証された」(同社)という。
今回の新商品では、従来品よりも約58%のサイズへの小型化に成功。重量も100グラム軽くなり、220グラムになった。充電コネクターのUSB Micro-BからType-Cへの変更や、「お手軽モード」「ていねい磨きモード」の2つだったモードに「重点ケアモード」「子どもモード」を加え、4つのモードから選べるようにした。価格は3万6,520円。
これまでの販売網は医療機関経由と直販だけだったが、来年には一般の量販店でも購入できるように準備を進めている。新商品発表と同時に開始したクラウドファンディングでは、12月10日時点で、450人から1,280万円を超える支援が集まっている。
栄田さんは「今までの既存のデンタル製品とは全く別物として確立したかった。今後はスマホとの連携や海外展開も視野に入れている。お掃除ロボット=『ルンバ』というイメージがあるように、ロボット歯ブラシ=『g.eN』となるよう取り組んでいきたい」と意気込む。
クラウドファンディングは来年1月31日まで。