早稲田大学(新宿区戸塚町1、以下早大)が2月25日、社会課題を解決するインパクト投資を行うベンチャーキャピタルファンドを運営する「早稲田大学インパクト・キャピタル(WIC)」を設立したと発表した。
早大は、建学の精神の一つである「学問の活用」を図るスタートアップ、ベンチャー企業の創出、育成に注力しており、2022年に設立したディープテック(大学の研究成果などを元に社会課題を革新的な技術で解決する領域)に特化した分野への投資を行う「早稲田大学ベンチャーズ(WUV)」に続く取り組みとなる。同年立ち上がったWUVの1号ファンドは約84億円の規模で、これまで11社に投資している。
WUVでは理工系の技術シーズの社会実装に取り組んできた。新たに設立したWICでは早大の強みである人文社会科学の活用で人間性のイノベーションを促す「ディープヒューマニティー」というコンセプトを新たに掲げ、「投資を通じて『社会的幸福』の促進を追求する」(早大)という。2032年に150周年を迎える早大が掲げるビジョン「世界人類に貢献する大学に進化させる」を体現することもWICのテーマの一つになっている。
WICの社長には、早大商学部卒で、公認会計士の大野聡子さんが就任。「WUVと同程度の規模のファンドを想定している」(大野さん)という。「『社会的幸福』は、『選択の自由』『貢献機会の構成』『共感とリスペクト』『心の健康と充実』の4つから構成される」といい、WICではこれらの分野の社会課題解決に取り組むスタートアップ、ベンチャーに投資をしていく。
大野さんは「理工系の学問の活用、人文社会科学系の学問の活用、これらを合わせて文理融合による総合知を活用することで、社会的インパクト、世界人類への貢献を追求していきたい。人文社会科学にフォーカスをした大学のファンドというのは聞いたことがない。早稲田大学らしい、新たな世界最先端の取り組みになるのではないか」と話す。