早稲田大学の学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式が早稲田アリーナ(新宿区戸山1)で3月25日、26日に開かれた。
新型コロナ以降、両日各3回に分けていた式典を4年ぶりに両日各2回にして実施。感染症対策で声を出さず胸の内で行っていた校歌斉唱も、マスクを着用して発声して行った。保護者は式典会場外での中継の参加となったが、式典に参加する卒業生にはマスク着用は求めず、コロナ以前の卒業式に近い形となった。
今年の卒業生は、新2年生になるタイミングで新型コロナの影響を受けた学年。式辞で田中愛治総長は「最も充実すべき3年間が失われたと感じている人もいるかもしれない。しかしコロナの経験をネガティブに捉えず、このつらい経験が役に立つ日があると信じて進んでもらいたい。早稲田で学んだことに自信を持ち、新型コロナで苦しい学生生活をやり切ったことを誇りにして、今後の人生を切り開いていってほしい」と話した。
卒業式に合わせて、早大のアイコンの一つである角帽の新規需要創出を目指す「角帽復活プロジェクト」が角帽を着用して記念撮影する「卒業式に角帽を!」を行った。天候が良ければ大隈記念講堂前で、多くの卒業生に参加してもらう予定だったが、雨天のため、事前に応募のあった卒業生のみで行った。
用意した4つの角帽は卒業生やその家族から寄付されたもの。参加した卒業生からは「初めて角帽を見た」と感慨深そうな様子もうかがえた。撮影は早稲田大学写真部が行った。角帽復活プロジェクト責任者の笹山俊彦さんは「今後も学生サークル、体育各部と共に現役早大生における角帽の認知向上につなげていければ」と話す。
政治経済学部の卒業生は「対面で卒業式ができ、本当に良かった。2年生からオンライン授業になったこともあり、久々に会う人たちがたくさんいた。今後は会うことも難しくなるので、頑張って声をかけてみた。早稲田にはこんなに人がいたんだという気持ち。大学生活では思っていたことができなかったが、思わぬ出会いがあり、思いがけないことに挑戦できた。心残りもあるが、充実感もある。早稲田に入って、良かったと心から思う」と大学生活を振り返った。