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「しんじゅQualityみつばちプロジェクト」 戸山の障害者福祉センターで採蜜

「しんじゅQualityみつばちプロジェクト」 今井康之さん、小野寺翔さん、徳堂泰作さん(左から)

「しんじゅQualityみつばちプロジェクト」 今井康之さん、小野寺翔さん、徳堂泰作さん(左から)

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 区立障害者福祉センター(新宿区戸山1、TEL 03-3232-3711)で7月31日、「しんじゅQualityみつばちプロジェクト」の一環として、屋上に設置した巣箱の採蜜が行われた。

巣礎の蜜蜂

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 同プロジェクトは、新宿区内の約30カ所の身体、知的、精神などの障がいのある人が働く施設のネットワーク「しんじゅQuality(しんじゅくおりてぃ)」の活動の一つで、2019(平成31)年に四谷区民センター(内藤町)で始まった養蜂事業。

 現在は、伊勢丹関連ビル屋上(新宿3)を含む3カ所、合計26の巣箱で養蜂を行っている。担当する利用者は採蜜のほか、女王バチの有無など巣箱の様子を確認する内検(内部検査)や清掃など一年を通して世話をする。ハチの飼育、瓶洗浄、瓶詰め、ラベル貼りなどの作業は複数の区内事業所がそれぞれの特性を生かし分担して行う。

 同ネットワークの会長でプロジェクトを企画した徳堂泰作さんは「勤めている事業所が新宿御苑の近隣に移転したことをきっかけに、日本初の西洋ミツバチ飼育場が新宿御苑の場所にあったこと、近隣に養蜂場があったことなど地域の歴史を知った。ちょうど都市型養蜂が話題になっていた頃でもあり、この地の福祉作業所で扱う商品として適していると考えた」と話す。

 養蜂は、区内養蜂家の中里仲司さんがボランティアで指導。伊勢丹新宿店や新宿プリンスホテルなど区内の事業者が蜂蜜を買い取り、地元で採れた蜂蜜というだけでなく生産に携わった障がい者の顔が見える形で提供を行うなどの区内での連携がある。

 プロジェクトに関わる利用者は「この仕事は1年余り、どの仕事も楽しい。まだできることが少ないので勉強しながら続けたい」(井口智香さん)、「プロジェクトが始まった時から携わっている。蜂蜜はクオリティーが高く仕事は充実している」(山楯正人さん)、「夏の炎天下での内検は厳しいが蜂蜜がおいしいので、これからも続けたい」(平英人さん)などと話す。

 徳堂さんはプロジェクトに関わる利用者の変化について「生き物を育てることで責任を持って仕事に取り組むようになった。商品が高い評価を受けていることで人から認められる喜びを得て自信を取り戻すきっかけにもなっている」と話す。

 採蜜は5月~8月の間で年3、4回行う。採蜜した月ごとに瓶詰めを行い表記することで、折々に咲く花の違いによる色、香り、味を楽しむことができるという。

 昨年の蜂蜜は完売。今年は8月下旬ごろ開始予定で、区立勤労者・仕事支援センターが運営するコミュニティーショップ「ふらっと新宿」(区内5店舗)、区立障害者福祉センター「喫茶フレンド」(戸山)、区立漱石山房記念館(早稲田南町)などで販売する。

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