環境課題と生物多様性について学ぶワークショップ「昆虫マスターと学ぶ 昆虫と環境の研究会」が8月4日、都立戸山公園(以下、戸山公園)と、そらとだいちの図書館で行われた。
人材サービス会社ネオキャリア(新宿区)、そらとだいちの図書館を拠点に他世代交流や子育て・高齢者支援などを行う任意団体えんがわ家族、東京大学大学院で応用動物科学を専攻する加藤凜久さん、新宿区障害者福祉事業所等ネットワーク「しんじゅQuality(しんじゅくおりてぃ)」の4者の「産学民福連携インセクトキャリア研究会」が主催。
2022年11月に開催した戸山公園内を散策するワークショップから始まった取り組みの3回目。今年はタイトルを変更して、ペットボトルを活用したコンポスト作りを行うなど新たな取り組みも企画。虫に興味のある5歳~12歳の子どもとその家族を対象とし、14組40人が参加した。
戸山公園では、ごみ拾いもしながら、昆虫採集や加藤さんが事前に仕掛けたわなにかかった虫の観察を行った。虫取り網を持った親子が昆虫を追いかける姿や、昆虫を採集した子どもが加藤さんに駆け寄り名前や生態について熱心に聞き入る姿が見受けられた。
その後、そらとだいちの図書館に移動し、加藤さんが昆虫の世界について、しんじゅQualityでアドバイザーを務める今井康之さんがミツバチの役割について、ネオキャリアでサステナブル推進を担当する高山功平さんが昆虫の役割や昆虫からヒントを得た最先端技術などについて話題提供した。コンポストワークショップでは、同館ボランティアスタッフでコンポストクラブの活動を行う福本詢子さんが、マメのさやがコンポストで分解される様子などを説明した後、参加者が持参したペットボトルでコンポストを作った。
参加者からは、「虫探しも、話も、コンポスト作りも楽しかった」「昆虫マスターにアリの巣について質問したら、たくさんアドバイスがもらえてうれしかった」などのほか、猛暑の中でのワープショップについて「常に参加者の体調に気を配ってもらえた」などの声があったという。
加藤さんは「内容が盛りだくさんで全てを把握するのは難しかったかもしれないが、一つでも興味があればそれを極めてほしい。その結果がいろいろなことにつながるし、活躍できる道を開くので、突き進んでほしい」と子どもたちにエールを送る。
イベントを企画した高山さんは「地域の自然に触れ、環境保護の大切さを実感し、虫の役割から自分自身の未来の役割について考える機会を提供したい。仲間を増やし、『チーム新宿』としてイベントを継続したい」と意気込む。