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3D模型に触れて山登りを体験 区立戸山図書館で視覚障害者への情報提供

重田雅敏さん(左から3人目)、元木章博教授(左から4人目)、戸山図書館矢部剛館長(右)と鶴見大学の学生

重田雅敏さん(左から3人目)、元木章博教授(左から4人目)、戸山図書館矢部剛館長(右)と鶴見大学の学生

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 区立戸山図書館(新宿区戸山2)が10月14日、視覚障害者への情報提供として3D模型に触れて山登りを体験するイベント「触れて味わう 山登り~3D模型で行く富士・箱根~」を開いた。

富士山の3D模型に触れる講師の重田雅敏さん=「触れて味わう 山登り~3D模型で行く富士・箱根~」

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 視覚障害者などへのサービスの新宿区の拠点館として、録音図書の作成や貸し出し、対面朗読サービスをはじめ、点字本や大活字本の収集などを行う同館。3D模型を使った体験イベントは、昨年開催したスカイツリー、東京タワー、都庁の模型を使ったイベントに続く2回目。視覚障害者7人を含む21人が参加した。

 講師は、年齢や障害の有無に関係なく、誰でも必要とする情報に簡単にアクセスするための情報保障を専門とする鶴見大学の元木章博教授と、元盲学校教師で「視覚障害者の就労を支援する会」の理事長を務める重田雅敏さん。

 元木さんは「図書館での障害のある人たちへの情報サービスについて研究をしている。図書館は視覚障害者への情報提供に歴史もある。2年前に3Dプリンターで作った模型に触ってもらうことで3次元情報を伝えられればと考えて3D模型の制作を始めた」と話す。

 当日は元木さんが視覚障害者の山登りや観光に関する話題や3Dプリンターで作る3D模型の優位性や活用方法に関する話題を提供。その後、参加者全員が、両手に収まる大きさの富士山と箱根周辺の3D模型に触れながら重田さんのガイドに耳を傾けた。

 地理と歴史の教員として長年勤務し、登山とマラソンが趣味という重田さんは、3D模型の場所を示しながら谷、川、山、湖などの名前を挙げて説明。富士山の模型では、4ルートある登山道について、山頂までの所要時間やその特徴などを自身の登山体験も合わせて詳しく説明した。参加者は、元木さんの大学のゼミ生3人の誘導も受けながら富士山と箱根の山歩きを体験した。

 重田さんは「3D模型を使って山登りをするという企画は初めて。模型で地形をなぞってもらいながら、私の話でイメージをつかんでもらうしかないと考えた。視覚障害者は、ただ目が見えないというだけでなく情報へのアクセスが困難な情報障害を抱えている。道案内さえあれば100キロでも走れるが情報がないことでそれができないということが多い。この試みで少しでも能動的な経験をしてもらえるようになれば」と話す。

 イベント終了後、箱根を旅行したことがあるという参加者に声をかけられた重田さんは、箱根の3D模型を共に両手でなぞりながら「今度、箱根に行くときは、この模型を一緒に持っていくと楽しいですよ」と語りかけた。

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