買う

4100万桁以上ある「最大の素数」を一冊に 1180ページで厚さ4センチ

「最大の素数」シリーズ発案者の山口和男さん

「最大の素数」シリーズ発案者の山口和男さん

  • 32

  •  

 早大近くの出版工房「虹色社(なないろしゃ)」(新宿区戸塚町1)が今年10月に発見されたメルセンヌ素数4102万4320桁を一冊に収録した「2024年 最大の素数」を11月11日、発売した。

最新刊の「2024年 最大の素数」=4100万桁以上の「最大の素数」を一冊に

[広告]

 企画、制作、製版、印刷、製本、販売までを一括して行う同工房。詩集、写真集、絵本、小説などの出版物を取り扱い、共同出版、自費出版、印刷製本、コピーサービス、グッズ制作なども手がける。

 「2024年 最大の素数」は、発見された素数を1冊にまとめてきた同社の「最大の素数」シリーズの最新刊。2018(平成30)年、当時の「最大の素数」が発見されたというネットニュースを見た同工房代表の山口和男さんが「これを本にしたら面白いのではないか」と思いつき、企画が始まった。

 山口さんは「円周率を一冊の本にすることを考えたこともあるが、円周率には終わりがない。素数は完結しているので、最後のページできちんと終わる。本として始まりがあって終わりがある一冊にできるのがいい」と話す。

 これまでに「最大の素数」シリーズは2冊を刊行。公開されているデータを印刷用データに変換するところには苦労したほか、当初は印刷費や手間などを度外視してしまったという。以来、初版の反省を生かし、新装版を発売するなど印刷・製本ができる強みを生かしてきた。想定外の反響で、数カ月にわたり「最大の素数」の製作にかかりきりのこともあったという。

 最新刊「2024年 最大の素数」は、過去最大となった素数を収録するために、1180ページ、厚さは約4センチメートルになった。山口さんは「製本できる限界に近づきつつある」と話す。最新刊では、数字に使う本文のフォントを「メイリオ」に変更して視認性を高めたり、用紙を変更して厚さを抑えたりする工夫もした。

 山口さんは「ちゃんと読んで乱丁があったと連絡してくれた人がいて、うれしくなったこともある。一家に一冊とまでは言わないが、どこかにあるとちょっと生活が豊かになるかもしれない一冊。いろんな使い方があると思うが、真面目な顔をして読むのではなく、みんなで笑顔になっていただければ」と話す。

 「虹色社」の公式サイトやAmazonなどで販売する。価格は4,950円。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース