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「歌声喫茶ともしび」が70周年、高田馬場移転から2年 記念イベントも

「歌声喫茶ともしび」集合写真

「歌声喫茶ともしび」集合写真

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 創業70周年の「歌声喫茶ともしび」(新宿区高田馬場2)が11月22日、高田馬場への移転から2年を迎える。

新宿駅前店の様子=「歌声喫茶ともしび」が70周年、高田馬場移転から2年の記念イベント

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 歌声喫茶は、客が合唱することを前提にした喫茶店で、はじめは「美声と音痴の店 灯(ともしび)」という店名で、1954年12月から始まったといわれている。

 現運営会社の社長で店長を務める齋藤隆さんは歴史について「西武新宿駅前の『味楽』という大衆食堂で、BGMとして流していたロシア民謡のレコードに合わせて客の学生たちが歌い始めたことをきっかけに、店主がみんなで歌える店を開いた。戦後復興の生き生きとした息吹の中で、歌声喫茶は瞬く間に若者たちの心をつかみ、1960年代前半には国民的ブームといわれるほどの大流行となった。当時は『歌声喫茶』という呼び名はなかったが、いつの間にか一般的になった」と話す。

 齋藤さん自身は「グループを結成してフォークソングを歌っていた20歳の時、知人に連れられて入店した。初めはなじめなかったが、同年代の人がたくさんいて友達ができて仲間になった。居心地が良くなって4年間毎日のように通い続けて、声をかけられて社員になった」と振り返る。

 1960年代後半にはブームが去って全国にあった歌声喫茶は次々に閉店していき、「ともしび」だけが営業を続けていった。近年ではコロナ禍により、新宿にあった「歌声喫茶ともしび」も2020年9月末で撤退した。

 齋藤さんは「店は休業を余儀なくされ、200公演ほどあった出前歌声喫茶公演もゼロになった。何より、密集して飲食をしながらみんなで歌い交流するという私たちが大事にしていた行為が、コロナ禍で感染リスクを伴う危険な行為となってしまったことが一番苦しかった」と振り返る。

 閉店後は、ユーチューブ配信の開始、若い客を増やすため新曲を100曲追加した歌集作りや若手司会者(リーダー)の育成など、再開を目指しできる限りの準備をしながら時期を待った。全国から寄せられた募金が6,000万円に達したことも大きな後押しとなり、2022年、高田馬場で「歌声喫茶ともしび」を再開した。

 齋藤さんは「高田馬場は若い人が多く活気があること、また新宿区内ということで、新宿で70年の歴史を持つ『新宿ともしび』というブランドも守れると考えた。ここで若い世代から往年のファンまで世代を超えて一緒に楽しむことができる空間を作っていきたい」と意気込む。

 12月3日には、周年企画「歌声喫茶70年を振り返り大いに歌おう!」を開催する。開催時間は14時~15時50分。参加費は3,500円(ワンドリンク付き)。要予約。

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