高田馬場の「歌声喫茶ともしび」(新宿区高田馬場2)が12月3日、周年企画「歌声喫茶70年を振り返り大いに歌おう!」を開いた。
中西明さん、齊藤隆さん、中西たみ子さん(右から)=高田馬場「ともしび」で歌声喫茶の70年回顧イベント
歌声喫茶は、客が合唱することを前提にした喫茶店。「美声と音痴の店 灯(ともしび)」という店名で、1954(昭和29)年12月、同店が新宿にオープンしたことから全国に広がったといわれている。1960年代前半には国民的ブームといわれるほどの大流行となったが、その後半にブームは去り、全国にあった歌声喫茶は次々に閉店した。
同店はコロナ禍の影響を受け2020年9月末で閉店したが、2022年に高田馬場で再開した。
当日は57人が参加。ともしび所属の中西明さんの歌と語り、齊藤隆さんのピアノ、中西たみ子さんのアコーディオンで、リクエスト曲25曲を参加者と合唱した。合唱の合間には、中西さんが、各地の歌声喫茶や歌にまつわる逸話を披露するなどして歌声喫茶の70年を振り返えると、青春時代を歌声喫茶で過ごしたファンがうなずく様子が見られた。
齊藤さんは「今日、参加していただいているファンの皆さんに支えられて今がある。皆さんにとって、この場は若い頃に戻って元気になれ仲間に会える大事な場所。守り続けていかなければと改めて思う。若い世代とオールド世代が世代を超えて楽しめる空間づくりで50年後も続く店にしたい」と話す。
イベントの後半では、歌と語りを若手の高橋諒佑さんと結城アンナさんに交代し、新しいファン獲得のため新曲100曲を追加した歌集の中から選んだ曲などを歌い、最後の曲「友よ」では、大勢のファンが立ち上がり大合唱となった。
齊藤さんは「高田馬場に移転して2年、ここに歌声喫茶があることを、もっと地元の人に知ってもらいたい、そして足を運んでもらいたい」と呼びかける。