
大隈通り商店会の「こだわり商店」(新宿区早稲田1)が、6月23日、食べるラー油と素干しえびを掛け合わせたオリジナル商品「えびラー油」の販売を始めた。
えびラー油=創業18年で初のオリジナル商品「えびラー油」発売
店主の安井浩和さんは、総合食肉問屋を起こした祖父の代から早稲田で商売を行う3代目社長。父親が経営するスーパーマーケットを20代で任せられるが、2007(平成19)年、直営3店舗テナント8店舗を全て閉じるという苦渋の決断をする。その後、全国の生産地を巡り、「自分が食べておいしと思うもの」だけを集めた食料品店を現在の場所にオープンした。店名は、妻の美幸さんの「あなたは早稲田の街にこだわりがある」という言葉に由来するという。現在、安井さんは大隈通り商店会の会長も務める。
来店客に気さくに声をかけ商品が持つ背景やおすすめの食べ方を伝えながら接客する安井さん。「昨年から、店で取り扱う小田原屋の食べるラー油と石丸弥蔵商店の素干しえびをまぜるとおいしいとお客さまに勧めていた。それがテレビ番組で取り上げられ、食べるラー油と素干しえびをセットで買っていく人が増え、手放せないという人も出てきた。小田原屋の芝田机太郎社長にこの話をしたところ『ラベルに安井さんの顔を入れたオリジナル商品を作りましょう』と言ってくれた。これを機に開店18年目にして初のオリジナル商品を企画することになった」と話す。
レシピは美幸さんのアイデアだという。「自分が気に入って、仕入れて、お客さまに薦める。それでもどうしても賞味期限が切れそうな商品が出てくる。破棄したくはないので自宅に持ち帰る。その食材を使ったつまみを妻が工夫して作ってくれている。えびラー油は、そうして出来上がった商品」と安井さん。美幸さんは「日常的に食材が持ち帰られるので千本ノックのようにあの手この手で食べ方を考えている。少し残った食べるラー油の瓶に素干しえびを入れて数日間置いておくとエビのうまみが出るだろう考えた」と話す。
「おいしい食べ物はこの世に星の数ほどある。私は作っている人が好き、この人から買いたいという物を仕入れる。同じように私がレジで買ってもらった商品を褒めたり食べ方を説明したりすることで、商品を気に入ってもらえるということもあると思う。『苦節18年、ついに店長が考案したオリジナル商品ができました』とアピールしていきたい」と意気込む。