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早大演劇博物館で新収蔵品展 スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」舞台原画など

早稲田大学演劇博物館「2025年 新収蔵品展」開催中の早大演劇博物館外観

早稲田大学演劇博物館「2025年 新収蔵品展」開催中の早大演劇博物館外観

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 早稲田大学演劇博物館(新宿区西早稲田1)が現在、近年新たに収集した収蔵品の展示を行っている。

スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」舞台原画など=早大演劇博物館で新収蔵品展

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 新収蔵品は、同館1階の六世中村歌右衛門記念特別展示室で展示する。展示品は、三代目中村歌右衛門を描いた浅山芦国の肉筆浮世絵、勝川春章の細判錦絵、舞台美術家で画家の朝倉摂が描いた肉筆の舞台デザイン原画、六世歌右衛門が参加した1960年代の歌舞伎海外公演のアルバム、昭和から平成にわたり活躍した俳優、森光子、緒形拳の衣装や道具、商業演劇の大作家、北條秀司のスクラップブックやびょうぶ仕立ての絵看板など。

 勝川春章は、NHK大河ドラマ「べらぼう」にも登場する江戸時代中期に活躍した浮世絵師。新収蔵品から、三代目大谷広次、二代目市川百蔵、五代目市川團十郎などを描いた細判錦絵を展示する。

 朝倉摂は、早大早稲田キャンパス内の大隈重信像の作者で彫刻家の朝倉文夫の長女で、伊藤深水に入門して日本画を学ぶなどした後、舞台美術に専念。担当した舞台作品は1600を超えるとされる。同展では、新たに寄贈された舞台美術関係資料から、1986(昭和61)年、新橋演舞場で初演された三代目市川猿之助演出のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の舞台の背景やデザイン案などを展示する。

 そのほか、俳優座劇場を設立した倉林誠一郎の旧蔵資料の中から、築地小劇場、心座、近代劇場などの公演ポスター、ファンが長く愛蔵した越路吹雪の顔を描いた看板、19世紀に出版されたオペラ台本や楽譜、文化大革命以前の中国の映画資料などの演劇関連資料を展示する。

 同館学芸員の岡真理香さんは「1960年代の歌舞伎の海外公演の資料展示はこれまでにない試み。スターの面影や名場面がよみがえるような、資料で見る多彩な演劇の世界を楽しんでもらえれば」と呼びかける。

 開館時間は10時~17時(火曜・金曜は19時まで)。入館無料。8月3日まで。

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