三代襲名スペシャルトークショー「待ってました、高麗屋!」と題したトークショーが7月30日、早稲田大学演劇博物館開館90周年記念イベントとして開催され、歌舞伎ファンや高麗屋ファンで大隈講堂(新宿区西早稲田1)は満席となった。
今年1月、歌舞伎座(中央区)で親子孫の三代の襲名を行った九代目松本幸四郎改め二代目松本白鸚、七代目市川染五郎改め十代目松本幸四郎、四代目松本金太郎改め八代目市川染五郎が早稲田大学大隈講堂の舞台に上がった。聞き手は鈴木英一さん(演劇博物館招聘研究員)と児玉竜一さん(演劇博物館副館長)。
白鴎さんは同大OBで、幸四郎さんと聞き手の児玉さんは著書に「十代目松本幸四郎への軌跡:七代目市川染五郎物語」があるなど早稲田演劇博物館と高麗屋とのつながりは深い。
トークショーでは、白鴎さん、幸四郎さん、染五郎さんが、それぞれに襲名に懸ける思いや、襲名披露興業で演じる役どころなどについて語った。
白鴎さん、幸四郎さんが親子で共演したNHK大河ドラマ「黄金の日々」の最終回映像をはじめとする映像の紹介や、同館と所縁(ゆかり)の深い坪内逍遙が文芸誌「早稲田文学」に連載したの歌舞伎の演目「桐一葉」を白鴎さんと幸四郎さんの掛け合いで朗読するなどの趣向を凝らしたトークに、「高麗屋!」と、歌舞伎座を思わせるような大向こうからの掛け声が掛かった。
1000人の定員枠に対して3500人が応募した同イベント。当日は会場の模様を大隈記念講堂小講堂でモニター中継するほどの人気となった。