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グランド坂通りの「古書ソオダ水」が5周年 「本屋なら人に譲れるような気がした」

「古書ソオダ水」店主の樋口塊さん

「古書ソオダ水」店主の樋口塊さん

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 西早稲田のグランド坂通りにある「古書ソオダ水」(新宿区西早稲田1、TEL 03-6265-9835)が1月27日、5周年を迎える。

グランド坂通りにある「古書ソオダ水」の店内の様子 その1

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 店主の樋口塊さんは職場の後輩が古本をネットで販売していることを知り、2011(平成23)年に古本のネット通販を始めた。都電荒川線沿いで物件を探し、2018(平成30)年に早大の早稲田キャンパスに隣接する現在の場所に店舗をオープンした。

 店名は小説家で早大文学部の教授でもあった小沼丹の小説「不思議なソオダ水」が由来。学生の時に小沼丹の小説に出合い、古書店に通うきっかけの一つになったことや「入手困難な同書を手に入れ、うれしかった」(樋口さん)ことが決め手になった。

 樋口さんは「好きなものは買わないと気が済まない性格。家に本などがどんどん増え、置き場所に困り引っ越しを繰り返した。手放したくなかったが、本屋なら人に譲れるような気がして、店をオープンすることにした」と話す。オープン当初は、私物の本を約1500冊、陳列した。

 扱うのは国内外の文学、詩歌、哲学、思想、美術、写真、映画、音楽、サブカル、文庫などのオールジャンルで、早稲田の古書店では珍しく漫画も取り扱う。現在は約10坪の店内に約5000冊を陳列。買い取りにも積極的で、樋口さんは「こういう本なら古書ソオダ水で買い取ってくれると思って、持ってきてもらっているように感じる」と話す。

 客の約6割は学生で、早大の教職員や近所の人も。店内では樋口さんと楽しそうに話をする学生客の姿も見られる。昨年11月には3日間かけて、自分たちで棚を作り直し、店内のレイアウトを変更。ゆっくり過ごせるように店をリニューアルした。

 樋口さんは「うちみたいに、なんでやれているか分からないような店が増えると、早稲田がもっと面白い街になるのではないかと思う。学生生活の4年間、みんなと同じ右へ倣えではなく、『私は違う』という学生がいたときの行き先の一つになれれば」と話す。

 営業時間は11時~20時。水曜定休。

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