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西早稲田の古書店「三幸書房」が早大近くに移転 創業57年の老舗

「三幸書房」の飯島治昭さん、悟さん(左から)

「三幸書房」の飯島治昭さん、悟さん(左から)

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 西早稲田の古書店「三幸(みゆき)書房」(新宿区西早稲田1、TEL 03-3203-6539)が早大早稲田キャンパス22号館近くに5月2日、移転オープンした。

西早稲田の古書店「三幸書房」の店内の様子 その1

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 三幸書房は、早稲田通りにある古書店「三楽書房」の系列店「佐藤書店」(現在は閉店)で7年間修業した飯島治昭さんが1965(昭和40)年に独立し開業。古書全般を扱う古書店として営業してきた。

 開業当初は早稲田通りの「クレッシェント西早稲田」が立つ場所に店があった。建物の建て替えに伴い、1995(平成7)年に隣の「パティオ西早稲田」に移転。移転時は3軒の古書店が並んで営業をしていたが、三幸書房だけが残り営業を続けてきた。2007(平成19)年には、息子の悟さんも稼業を手伝うようになった。

 修業した店の近くで独立開業することも多かった古書店業界。早稲田大学校友会が発行するコミュニケーション誌「早稲田学報」(1247号)によると、1985(昭和60)年当時、高田馬場から早稲田エリアには62店の書店と古書店が集積していた。

 治昭さんは「昔は早稲田通りを歩く学生が多く、授業帰りに寄って、たくさん本を買っていってくれた。お客さんが多すぎて、店の外と中の両方で店番して対応していた」と振り返る。古書店街としてにぎわい、新たにオープンした店もあったが、2021年には31店舗に半減した。

 移転を決意したのは、物件の契約が治昭さんの1代限りになっていたことと、インターネット通販の普及などによる環境変化に対応するため。倉庫として使っていた物件を改装した。悟さんは「昔は古書店街を巡り、はしごしながら本を見るお客さんが多かったが、今はだいぶ少なくなってしまった。通販に加え、古本まつりなどの外売りに対応しやすくするために移転を決断した」と話す。

 新しい店では9つの書棚に2000冊程度の古書を並べる。移転作業が落ち着けば、売り場も整理していくという。インターネット上の在庫と店頭の在庫を分けているのも特徴。店に立ち寄る楽しみを提供している。

 悟さんは「早稲田の先生からは『大学から近くなったので寄りやすくなった』との声も頂いた。留学生がふらっと寄ってくれることもある。学生さんにも気楽に利用してほしい。早大にお立ち寄りの際は当店にも来てもらえれば」と呼びかける。

 営業時間は11時~18時。月曜、金曜定休。

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