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早大演劇博物館が舞台公演記録のアーカイブ化モデル事業 受講者を募集

昨年度の講座をまとめた「DONUTS BOOK 基礎編」表紙

昨年度の講座をまとめた「DONUTS BOOK 基礎編」表紙

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 早稲田大学演劇博物館(新宿区西早稲田1)が、個々の劇団や劇場で舞台公演記録のアーカイブ化と利活用を担うアートマネジメント人材の育成を目的とした連続講座「DONUTS PROJECT(ドーナツ・プロジェクト) 2023 実践編」を開設した。現在、受講者を募集している。

早稲田大学演劇博物館デジタルアーカイブ室 中西智範さん

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 プロジェクト名について同館は「舞台芸術は幕が下りた瞬間に消えてなくなる。舞台上で繰り広げられた演劇やダンスやパフォーマンスは、まさにドーナツホールであり、中心でありながら、それ自体を保存することはできない。私たち演劇博物館は、舞台芸術のアーカイブを『ドーナツ』と呼んできた」とする。

 対象は、舞台芸術に携わる人や、大学で舞台芸術などを学ぶ学生または学んだ人、舞台芸術の研究者、各種文化施設の学芸員、キュレーター、アーキビストなどのほか、舞台のアーカイブや著作権について興味のある人。

 講師は、早大文化推進部参与・文学学術院教授で前館長の岡室美奈子さん、同館デジタルアーカイブ室所属の中西智範さんほか、研究者、舞台制作者、弁護士など。

 講座は、昨年度行った「基礎編」の内容からそれぞれのテーマをさらに深めながら、ワークショップやディスカッションなどを用いたより実践的な内容とする。実際に舞台制作活動を行う人を講師に招き、具体的な事例を交えて制作過程からアーカイブを考えるプロセスを取ることで「実践編」としたという。

 中西さんは「舞台芸術のアーカイブには確立された方法や手順があるわけではない。国内で『舞台芸術分野のアーキビスト』という肩書で活動している人は、私の知る範囲では存在していない。このコロナ禍を機に、アーカイブの価値について議論され始めた段階。当事業の活動を通じて舞台芸術のアーカイブを実践したいという人を応援したい。舞台芸術のアーカイブを担う人たちのコミュニティー作りも目指す」と話す。

 カリキュラムは、理論編「舞台芸術アーカイブの意義と可能性」、実践編「プロセスとしての舞台芸術アーカイブI、II」「舞台公演の記録映像の残し方」、技術編「著作権と契約」、ワークショップの全12回で構成する。

 本年度の初参加者には、昨年度の講座をまとめた「DONUTS BOOK 基礎編」ウェブ版を提供、先着50人には製本版を提供する。

 中西さんは「舞台芸術分野のアーキビストが増え、それがコミュニティーとして協力しながら広まっていけば」と期待を込める。

 定員と受講料は、会場受講=25人、7,000円、アーカイブ動画受講=50人、6,000円。受け付け締め切りは7月2日。

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