「TOLフォーラム2023」が9月23日、目白 椿ホール(豊島区目白1)で開催された。
オリンピック出場経験のある女性選手が組織するTOL(TOTAL OLYMPIC LADIES トータル・オリンピック・レディス会)が開催した同フォーラム。TOLは出身競技、所属組織の枠を超え会員相互の親睦を深めながらスポーツ文化の向上・社会体育の振興を目的として活動する。1985(昭和60)年の初開催以降、年に1回の開催を続けてきたフォーラムは今回がコロナ禍を挟んで3年ぶり37回目の開催となった。準備から当日の会場係等の裏方までを企業等の協賛を得ながら同会メンバーが手がけ、今回は初の共催者として東京井の頭ロータリークラブが運営を支えた。
当日は110人が来場。アテネオリンピック野球日本代表ヘッドコーチ・監督代行を務めチームを銅メダルに導いた中畑清さんをゲストに、同会幹事の一人である元バレーボール女子日本代表の大林素子さんとのトークショーを行った。
中畑さんは、2004年のアテネオリンピックや、選手・コーチとして所属した読売ジャイアンツ、監督を務めた横浜DeNAベイスターズの思い出や裏話、「絶好調男」の呼び名で知られることになった理由などを披露。今後の野球界などについて来場者の質問にも応えた。
中畑さんとの関係について大林さんは、1989年バレーボールワールドカップ直前、けがにより絶望感を感じながらリハビリしていた時、引退を発表した中畑さんが現役最後の試合となる日本シリーズ第7戦でホームランを打つ姿に接し初めて、「人を感動させるプレー」に出合ったと振り返り、「このリハビリを克服して『私も人を感動させるプレーをするんだ』という思いが心の支えになり復帰できた。だから私は中畑さんを恩人だと思っているんです」と話した。
フォーラムを終え、日本車椅子ソフトボール協会会長でもある高山樹里会長は「中畑さんの人柄に接して会場にいた全員がファンになったのでは。来場者が笑顔で帰る姿を見てうれしかった」と話す。