芳林堂書店高田馬場店(新宿区高田馬場1、TEL 03-3208-0241)が現在、小説家・飛鳥部勝則さんのミステリー小説「黒と愛」(早川書房)とホラー長編「鏡陥穽(かがみかんせい)」(文芸春秋)の重版分の予約を受け付けている。
芳林堂書店を運営する書泉グループは、版元から買い切って希少本を重版・復刊する企画「書泉と、10冊」の第3弾として飛鳥部さんの「堕天使拷問刑」(早川書房)を展開し、3440冊の予約注文があった。「飛鳥部先生の他の作品も読みたい」という声が多かったことから、ミステリー、ホラーなどの小説や一般書ジャンルを中心に重版・復刊する企画「芳林堂書店と、10冊」を新たに立ち上げ、今回の2冊の重版に至った。
「黒と愛」と「鏡陥穽」は「堕天使拷問刑」と共に、作者の飛鳥部さんが「ゴシック復興3部作」と位置付ける作品。それぞれ「城と幽霊」「鏡と分身」「塔と悪」というゴシックのキーワード2つをテーマにする。いずれも電子化されておらず、中古品がECサイトで2万~4万円程度で取引されていた。
同店店長の山本善之さんが「堕天使拷問刑」の重版に続き企画を担当した。山本さんは「『ゴシック復興3部作』を全て重版できたらとの思いがあった。『堕天使拷問刑』を読んで、もっと飛鳥部先生の作品を読みたい人には『黒と愛』を、さらにもっと読みたい人には『鏡陥穽』を読んでもらえたら」と話す。
「飛鳥部先生の本は同じ登場人物が複数の作品にまたがって登場することが多いが、絶版の本が多く、気軽に作品を読めない状況。飛鳥部先生を気に入った人がどんどん深く読んでもらえるように、次々と復刊し、電子版にもつなげられたら」とも。
予約は芳林堂書店高田馬場店のほか、みずほ台店(埼玉県富士見市)、書泉グランデ、書泉ブックタワー(以上、千代田区)、書泉オンライン、書泉オンライン楽天市場店で受け付ける。11月20日まで。12月末の発送、発売を予定している。