高田馬場駅前のコワーキングスペース&シェアオフィス「CASE Shinjuku(ケイス シンジュク)」(新宿区高田馬場1、TEL 03-6302-1515)が12月1日、10周年記念パーティーを開催した。
2013(平成25)年11月1日にオープンした同施設は150坪のフロアに会員登録や予約なしで利用できるコワーキングスペース(60席)のほか、月額会費制で法人登記、住所利用、24時間利用ができるシェアデスク(24席)・固定デスク(18席)・個室オフィス(6室)を用意する。
運営者の森下ことみさんは「私自身が20年前、三鷹市が設置したシェアオフィスでのアルバイトをきっかけに、ワークスペースを多様な人々が共有することで可能性が広がることを経験し、創業した。大事なことは良質な人と緩やかにつながっていることだと考えて10年間、そのきっかけづくりを心がけてきた」と話す。
10周年記念パーティーについて、「スタッフから『10』にちなんだイベントにしようと提案があり、12時から22時の10時間パーティーを企画した。都合の良い時間に顔を出してもらえるのではと考えた」と森下さん。
ランチ、おやつ、ディナーの3つの時間を軸に、施設の利用者が手がけたECサイトや近隣の飲食店からフード、ドリンクを取り寄せて紹介した。森下さんは「10年間にわたる運営や仕事のつながりで、CASEの中だけではなく、近隣のまちの人たちとのつながりも徐々にできてきた」と振り返る。
10時間の間に、施設の利用者とその家族、友人のほか、近隣の飲食店店主、地域のメディア関係者など幅広い人たちが会場を訪れた。
パーティーの企画の一つとして、「馬場経ラジオ」の音声生配信も行った。「高田馬場」と掛け合わせて「コミュニティー」「繁盛店」「本」「未踏プロジェクト」「エンタメ」のテーマで5組のゲストとトークした。
ラジオに出演した、同施設の会員第1号でフリーランスのウェブデザイナー松尾祥子さんは「学生の頃から過ごしてきた高田馬場にコワーキングスペースができると聞いてオープン初日に駆け込んだ。個人事業者として働くことに限界を感じていた頃で、明確に『ここで仲間をつくろう』という思いを家族にも伝えていた。オープン当初、広い空間に私一人という日もあり、SNSで『ここで仕事しているよ』とつぶやいたらイベントで知り合った人たちが続々と集まってきた。今ではその人たちと仕事をしたり、食事をしたり、旅に出たりしている」と話す。
森下さんは「私たちが目指すスペースは、一人一人が持つ知識や技術を持ち寄って、年齢や国籍、立場を超えてつながる場。10年間で地域とのつながりも生まれた。高田馬場にこのような場があることを知ってもらい、さまざまな形でつながりを持っていただければ」と呼びかける。