「落合ホームズ解体祭~見える、過去と未来~」が解体工事の始まるマンション「落合ホームズ」(新宿区下落合1)で12月2日・3日、開催された。
「解体祭」は総合解体事業などを手がける都市テクノが、解体する建物で行うイベント。「落合ホームズ解体祭」では、解体後にマンション建設を行う日鉄興和不動産と共催した。「落合ホームズ」は1979(昭和54)年に完成した114戸の分譲マンション。
当日はエントランスや中庭、駐車場などを使い、落合エリアの魅力を体感できる「食」「アート」「スポーツ」の企画を展開。「解体祭」の醍醐味(だいごみ)とも言える建物や地面に絵を描ける「らくがきゾーン」では、多くの親子連れが思い思いの絵を描く様子が見られた。「近隣住民や落合ホームズに住んでいた人など約1100人が参加した」(都市テクノ)という。
休憩や食事ができる中庭ゾーンでは、落合ホームズの部屋に残されたテーブルやソファを活用。コンクリートの再生利用の展示や下落合図書館の古本市、敷地内の樹木を枝にして配布するなど、資源の有効活用を促進する取り組みも見られた。
「染の里おちあい」が新宿区の地場産業である染色体験ができるコーナーを展開し、近隣店舗がキッチンカーなどで出店し、下落合の魅力を訴求した。「染の里おちあい」の代表理事・高市洋子さんは「ここまで多くの参加者とは思っていなかった。一人でも多くの人に染めや反物のことを知ってもらえる機会になりうれしい」と話す。
子連れで参加していた女性は「子どもがとても楽しそうにしていて良かった。まったく知らない建物だったが、今日来たことで親近感が湧いた」と話す。
都市テクノの高橋里緒さんは「妙正寺川と神田川の落ち合うことが、落合の名の由来であるように、当日も多くの人と人が落ち合い、にぎわいが生まれることで、落合ホームズに再び体温が戻ったような、すてきな時間が流れていた。新築の建物でも豊かな暮らしを彩るさまざまなイベントを実施できれば」と意気込む。