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「戸山公園野外演劇祭」第1弾 野外演奏場跡地を舞台に早大生が朗読劇

「戸山公園野外演劇祭」第1弾作品「浜辺のアルカ」公演の様子

「戸山公園野外演劇祭」第1弾作品「浜辺のアルカ」公演の様子

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 都立戸山公園(以下、戸山公園)が園内箱根山地区の陸軍戸山学校野外演奏場跡を舞台に企画した戸山公園野外演劇祭の第1弾「浜辺のアルカ」が、1月17日に上演された。

「戸山公園野外演劇祭」第1弾作品「浜辺のアルカ」公演を終えて

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 同企画は、芥川也寸志、團伊玖磨ら作曲家を輩出した陸軍戸山学校軍楽隊の演奏場跡で、唐十郎さんが主宰する状況劇場の芝居「腰巻お仙」の上演歴もある歴史的な舞台の活用を目的として、昨年10月2日からウェブサイトやSNSで参加団体を募集。企画を知った早稲田小劇場どらま館(新宿区戸塚町1)の協力により演劇関係者などに呼びかけ、12月3日に下見会を行うなどして参加者を募った。

 「浜辺のアルカ」は、早稲田大学3年生で下見会に参加した劇団樹海の246(にしむ)さんが演劇活動を行う知人に声をかけ、円形の野外舞台のために用意した約1時間の朗読劇。2回公演で39人が観劇した。

 下見会から約1カ月半での上演について、「下敷きとなる脚本があった。短期集中でエネルギーが高まったところで出力できればと考えこのタイミングとした」と話す246さん。同園サービスセンターの杉山俊司センター長は「演劇祭最初の作品、短期間での準備ということで、いろいろな危惧があったが、徹夜で企画を練り直すなど情熱を持って真摯(しんし)にやりとりを重ね作り込んでくれた」と振り返る。

 上演後、246さんは「公園内のくぼ地で孤島のような空間に重力を感じた。表現したかったことと環境がマッチして、この空間でなければできない表現ができた」と話した。他の出演者からは「飛行機の音やカラスの鳴き声などさまざま音が聞こえてくることも楽しく感じた」「脚本の理解や戸山公園を生かす演出について多くのコミュニケーションを取った上で実際に演じて手応えを感じた」「舞台上で水を使うなど一般の劇場では難しい演出ができる魅力がある」などの声が聞かれた。

 杉山さんは「今後の公演が決まっている人たちも来ていた。使い方、見え方などいろいろ参考になったと思う。ここでやりたいと決意を新たしたという人もいた。そういう意味でも本公演ができて良かった」と笑顔を見せる。

 公演が決まっている「平泳ぎ本店」主宰の松本一歩(かずほ)さんは「戸山公園の野外劇が次世代を担う新しい才能の揺り籠となる可能性が十分にあると思った。活力ある野外演劇の上演を通じて、地域密着型の劇団として大好きな早稲田・高田馬場の街を少しでも元気にすることができれば」と話す。

 今後の公演予定はウェブサイトやXで随時公開する。参加団体募集も継続中。

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