早稲田大学(新宿区戸塚町)が建て替えを進めている9号館の工事の様子が1月31日、報道陣に公開された。
建て替えを進める早稲田キャンパスで、14号館(1998年完成)、8号館(2005年完成)、11号館(2009年完成)に続き、工事が進められている9号館。昨年11月から準備工事に着手し、1月から解体工事が始まっていた。
現在は、内装の解体や解体のための足場設置などを行っている。解体工事に際して、隣接する8号館、10号館は授業などに支障がないよう防音のために窓を二重サッシ化した。4月ごろまで内装の解体を進めた後、秋ごろにかけて建物の解体工事を行う。
建て替えは、教育・総合科学学術院(教育学部・教育学研究科など)の環境整備を主な目的にしているが、大学の全ての利用者を対象とした総合窓口「早稲田ポータルオフィス」、全学の共通教室、学生読書室、学生ラウンジ、研究室、教員ラウンジなども設置する。
新9号館の設計は、現代の新たな「早稲田の森」を表現することをコンセプトに掲げる。建物の外周や内側には「雨の降らないところに植物を植えない」という方針の下、植物を配置するほか、大隈重信像の背後に高木で包まれた「木立のひろば」を整備する。
建物は現在の位置よりもキャンパス内にセットバックし、早稲田通りから直接キャンパス内に入ることができる第3正門からの通路には「緑の小径(こみち)」を整備することで、新しい歩行者動線もつくる。
建物は旧9号館の地下1階地上9階、延べ床面積約1.6万平方メートルから、地下2階地上15階、延べ床面積3.3万平方メートルになる予定。2027年度の供用開始を目指している。