新宿区内の障害者就労支援事業所の利用者らが世話をする養蜂の採蜜が7月23日、新宿区立障害者福祉センター(新宿区戸山1)の屋上で行われた。今後新宿産蜂蜜「新宿しQハニー」として販売する。
遠心分離機で巣枠から蜂蜜を採取する様子=戸山の障害者福祉センターで採蜜
新宿区障害者福祉事業所等ネットワーク「しんじゅQuality(しんじゅくおりてぃ)」では、2019(平成31)年から各事業所の利用者が分業する形で蜂蜜を商品化する「みつばちプロジェクト」を実施。四谷区民センター(内藤町)やパークシティイセタンII(新宿5)でも養蜂を行い、ミツバチの世話や採蜜、瓶詰め、ラベル貼りなどを行っている。
「いろんな障害がある人がいろんな形で関わって、1つの商品を作ることが良さの一つ」と同ネットワーク会長の徳堂泰作さん。利用者は生き物を世話することで責任感が芽生え、自身で体調管理を行うことができるようになり、仕事を休まなくなるなどの改善にもつながっているほか、外部の人との交流や注目されることで、自信の回復にもつながっているという。
同センターでの採蜜はこの日が今年最後で、近隣保育園の園児が見学したほか、人材サービス会社ネオキャリア(西新宿)の社員がボランティアで参加し、重さ35.2キロの蜂蜜が採れた。今年は梅雨入りが遅く、短かったこともあり、同センターでの採蜜量は昨年の1.5倍以上の256.9キロだった。
同ネットワーク養蜂アドバイザーの今井康之さんは「一人でも多くの方が新宿産の蜂蜜を手に取っていただき、障害者の仕事につながっているということを感じ取ってもらえれば」と話す。
今年採れた蜂蜜は8月下旬ごろから、区立勤労者・仕事支援センターが運営するコミュニティーショップ「ふらっと新宿」(区内5店舗)、区立障害者福祉センター「喫茶フレンド」(戸山1)、区立漱石山房記念館(早稲田南町)などで販売する。