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早大で新9号館起工式 教育・総合科学学術院の新拠点、2027年9月供用開始予定

玉串奉奠(ほうてん)を行う田中愛治早大総長(写真提供=早稲田大学)

玉串奉奠(ほうてん)を行う田中愛治早大総長(写真提供=早稲田大学)

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 早稲田大学(新宿区戸塚町)が建て替えを進めている早稲田キャンパスの「新9号館(仮称E棟)」の起工式を9月12日、行った。

解体された9号館の様子=早大で新9号館起工式

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 早稲田キャンパスの南西に位置し、1969(昭和44)年に法商研究室棟として建てられた9号館。共通教室や研究推進部などが入っていたが、近年は耐震基準を満たしてないこともあり、あまり使われていなかったという。昨年11月から準備工事に着手し、今年1月から解体工事を行った。

 建て替えは現在16号館を主に利用する教育・総合科学学術院(教育学部や教育学研究科など)の教育研究環境整備を主な目的とする。早稲田キャンパスでは14号館(1998年完成)、8号館(2005年完成)、11号館(2009年完成)、3号館(2014年完成)に続く建て替えとなる。

 起工式には教育・総合科学学術院の教員などの早大関係者のほか、施工を行う戸田建設、設計監理を担う山下設計などの建設工事関係者、約100人が参加した。9号館は1963(昭和38)年に土地交換を行った水稲荷神社の跡地で、同神社の神職が神事を執り行った。田中愛治早大総長らが地鎮の儀や玉串奉奠(ほうてん)を行った。

 新9号館は低層棟と高層棟から成り、地上16階・地下2階建てで、延べ床面積は3.3万平方メートル。2027年9月の供用開始を目指す。現在7号館にある学生や教員のワンストップサービス拠点である「早稲田ポータルオフィス」、全学の共通教室、学生読書室、学生ラウンジ、研究室、教員ラウンジなども設置する。

 設計コンセプトには、現代における「早稲田の森」を表現することを掲げ、「雨の降らない所に植物を植えない」という方針の下に、建築物や空間に自然の要素を取り入れる「バイオフィリックデザイン」を展開する。高層棟の中央には地下から最上階まで外部吹抜空間を設け、緑や自然光を感じられる構造にしたほか、低層棟の外周には植栽帯「緑のテラス」を設ける。11号館との間には大隈重信像の背後に高木で包まれた「木立のひろば」(仮称)、早稲田通りから直接キャンパス内に入ることができる第3西門からの通路は「緑の小径(こみち)」(仮称)として整備。第3西門側入り口前にある新宿区登録史跡「富塚跡」をポケットパークとして整備し、地域へ開放する。

 「本新築工事は2050年までに、世界を見据えた『Waseda Vision 150 and Beyond』で掲げた目標を達成すべく、教育研究環境のさらなる充実を目指したキャンパス整備の一環で、早稲田キャンパスに新たな知の拠点として、新しい校舎を新築するプロジェクト」と田中総長。「学生自身が個々の学びの特性に合わせて、学ぶ場所や方法を積極的に選択できる空間を整備していく」とも。

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