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早大「村上春樹ライブラリー」が3周年 延べ17万人来館、記念イベントも

隈研吾さんが設計した施設の外観(写真提供:早稲田大学国際文学館)

隈研吾さんが設計した施設の外観(写真提供:早稲田大学国際文学館)

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 作家・村上春樹さんの寄贈資料などを収める「早稲田大学国際文学館(通称=村上春樹ライブラリー)」が10月1日、3周年を迎える。

シンボルになっている「階段本棚」=早大「村上春樹ライブラリー」が3周年

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 村上さん所蔵の書籍や直筆原稿、レコードコレクションなどが寄託・寄贈されたことをきっかけに誕生した同施設。早稲田キャンパス(新宿区戸塚町1)の4号館を建築家で早大特命教授の隈研吾さんが設計し、改修したことも話題になった。早大は「文学資料館であり、また文化交流施設」と位置付ける。開館以来、今年8月末時点で延べ約16万7000人の来館者があったという。

 シンボルにもなっている地下1階から1階を結ぶ「階段本棚」では「村上作品とその結び目」「現在から未来に繋(つな)ぎたい世界文学作品」と企画する約1450冊のほか、1階ギャラリーラウンジの「年代別・各言語版村上春樹著作」約1100冊を館内の指定の場所で閲覧できる。「村上春樹作品展示」では初版本を中心に約200冊をケース内で展示する。

 地下1階では、学生が運営するカフェ「橙子猫-ORANGE CAT-」が営業。かつて村上さんが経営したジャズ喫茶で使われたグランドピアノや舞台「海辺のカフカ」で使われた舞台美術装置などを展示するほか、村上さんの現在の書斎を再現した部屋も用意する。

 1階に村上さんの自室で鳴っているサウンドのエッセンスを伝えるオーディオルーム、2階に企画展を行う展示室、スタジオも用意する。研究機関として「村上春樹文学」「国際文学」「翻訳文学」の研究に取り組むことも特徴。

 10月に3周年を記念して「呼吸するように、物語を聞かせ合おう」をテーマに、作家の多和田葉子さん、ピアニストの高瀬アキさんによるパフォーマンス「機械仕掛けの歌姫」(10月22日18時)、トークライブ「海外で創作/演奏するということ」(10月23日13時)、作家の安堂ホセさん、作家の柳美里さん、同館顧問のロバート キャンベルさんなどによる朗読と対談「『今、ここにいる』ことをめぐる語り合い」(同17時30分)をそれぞれ開催する。会場は小野記念講堂。申し込みは10月3日まで。応募者多数の場合は抽選。

 2階の展示室では、村上さんが飜訳した文学をテーマにした版画も展示する「山本容子版画展『世界の文学と出会う~カポーティから村上春樹まで』」を10月1日から開催。「橙子猫-ORANGE CAT-」では10月1日、早大の音楽サークルなどが演奏する「橙子猫3周年記念コンサート」も行う。

 開館時間は10時~17時。入館無料。水曜休館。10月の水曜は、30日を除き開館する。

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