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タイトルは「寿司一貫」、西早稲田の「八幡鮨」4代目が90年の記憶を本に

八幡鮨4代目 安井弘さんと著書「寿司一貫」

八幡鮨4代目 安井弘さんと著書「寿司一貫」

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 西早稲田の「八幡鮨(やはたずし)」(新宿区西早稲田3)の4代目、安井弘さんの90年の半生をつづる著書「寿司(すし)一貫」が1月24日に発行された。

(左から)八幡鮨の4代目の安井弘さん、5代目の栄一さん、6代目の雄哉さん

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 八幡鮨は、1868(明治元)年に穴八幡宮(西早稲田2)の参道脇で団子屋「八幡屋(はちまんや)」として創業。1915(大正4)年に、現在の西早稲田交差点付近に移転。その後、2代目がすし店に商売替えをした。

 1934(昭和9)年生まれの弘さんは、執筆について「昨年が戦後80年、昭和100年の年に当たることから、これまで経験してきたことを小さな冊子にまとめて知人に配りたいと考えて書きためていた。出版社を経営する常連客にその話をしたことがきっかけになって、出版にこぎ着けた」と振り返る。

 江戸前すしの文化と変遷、旧戸塚地区を中心とするまちの歴史、戦中戦後の混乱期の思い出、早稲田大学の学生や関係者との絆などがつづられている。本の帯には早稲田大学野球部OBの小宮山悟さんが「早稲田の野球は一球入魂、早稲田の寿司は一貫入魂」とメッセージを寄せている。

 弘さんはかっぱ巻きの考案者として知られている。戦後、魚が配給制で手に入らない中、10代だった弘さんが工夫して生み出した。著書には「かっぱ巻きの誕生秘話」として、当時は野菜を生で食べる習慣がなかったため生のキュウリを使うことを、店を切り盛りしていた母親から「邪道も甚だしい」とたしなめられたエピソードなどが収められている。「当初はきゅうり巻きと呼んでいたが、他のすし屋でも出すようになり、いつしかかっぱ巻きと呼ばれるようになった」と弘さんは振り返る。

 現在、店を切り盛りする5代目の栄一さんは、増加する外国人客も親しみやすいように旬の魚などをレタスで巻くレタスバーガーを考案するなど、伝統を守りながらも工夫を重ねている。「生き字引がいるわけだから、すしのこともまちのこともよく聞いて、それを身に付けた上で、自分のやり方で工夫をして今のお客さまに喜んでいただける店にしたい。私にも父と同じ血が流れているのだと思う」と笑顔を見せる。

 営業時間は、11時40分~13時50分、17時~22時。日曜定休。

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