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早大がJSTの「SCORE事業」に採択 研究成果活用のベンチャー育成を促進

今年完成した早稲田大学のリサーチイノベーションセンター(121号館)

今年完成した早稲田大学のリサーチイノベーションセンター(121号館)

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 早稲田大学が、科学技術振興機構(JST)の行う「研究成果展開事業 社会還元加速プログラム(以下、SCORE事業) 大学推進型」に採択されたと9月14日、発表した。

今年完成した早稲田大学のリサーチイノベーションセンター(121号館)の施設内の様子 その1

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 SCORE事業は、大学の自助努力により推進する起業支援の取り組みの促進とそのために必要となる持続可能な起業支援体制の構築・強化を目的とする。大学が持つ高い潜在性を持つ技術シーズを基にしたベンチャーの起業・成長を促進するためのプログラム。

 研究者や事業化プロデューサーなどがチームを組み、ビジネスモデルの策定や事業化に向けた改善サイクルの経験、PoC(概念実証)などを行うことで、起業と経営に必要な能力の向上やネットワークの形成を図る。これまでは研究者個人が申請するものだったが、今年から大学単位で申請するカテゴリーが設けられ、申請大学数12に対し、早稲田大学、神戸大学、筑波大学が採択された。

 大学が持つ特許件数や研究的な強みから、情報通信、ロボティクス、工業機械、ライフサイエンス、生命理工学、先端医工、スポーツサイエンスなどの分野での事業化が期待される。実施期間は2020年度から2024年度までの5年間で、科学技術振興機構から一年当たりプログラム推進費と研究開発費を合わせて最大6,000万円、間接経費最大1,800万円が支援される。

 早稲田大学では知財創出、ベンチャー起業・アクセラレーション、産官学連携、高付加価値製品創出、人材育成をスパイラルアップし社会への貢献を目指す「早稲田オープンイノベーション・エコシステム」を基本概念にする「早稲田オープンイノベーションバレー構想」を提唱している。

 2018(平成30)年から建設工事を行っていたリサーチイノベーションセンター(121号館)が今年完成し、産学官連携の拠点として機能させ、SCORE事業を駆動力として「早稲田オープンイノベーション・エコシステム」を推進する。さらに世界市場への進出も視野に、米国のファンドやアクセラレーションとも連携。内閣府の事業「スタートアップ・エコシステム拠点都市」の「グローバル拠点都市」に採択されている「スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム」の活動を通じ、戦略的な海外展開なども図る。

 リサーチイノベーションセンターの知財・研究連携担当課長の喜久里要さんは「早稲田のベンチャーと言えば、学生や卒業生が努力して取り組んでいるというイメージで、大学の研究成果を活用したベンチャーはまだそんなに数は出ていない。大学としては、この領域を伸ばしていきたいと考えており、SCORE事業の目的とも合致している。株式上場するような会社を創出していければ」と意気込む。

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