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早稲田大学で2年ぶりの入学式 「充実した学生生活に」、新歓はオンラインで

4月3日に早稲田アリーナで行われた新2年生のための入学式の様子

4月3日に早稲田アリーナで行われた新2年生のための入学式の様子

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 早稲田大学が学部、大学院の入学式を早稲田アリーナ(新宿区戸山1)で4月1日~3日に実施した。

オンラインで開催された早稲田大学の新歓を配信している様子 その1

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 3月25日、26日に開催された卒業式に続き、入学式も2年ぶりの開催。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、式典の参加は学生本人に限定。式典の様子はライブ配信を行い、保護者、体調不良者や来場に不安を抱える学生には自宅から式典に参加することを推奨した。

 学部の入学式は6回に分け実施。4月1日は午前に政治経済学部、法学部(第1回)、午後に教育学部、スポーツ科学部、国際教養学部(第2回)、文化構想学部、文学部(第3回)、2日は午前に商学部、社会科学部、人間科学部(第4回)、午後に基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部(第5回)、大学院の全研究科(第6回)を順に実施した。3日は昨年度入学した新2年生の入学式を実施した。

 式典は、田中愛治総長の式辞から始まり、冒頭で新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に言及。「パンデミックにより、高校・予備校・塾などに通うこともままならなかったと思う。そんなつらい思いの中、不安と戦いながらも、逆境をはねのけ、入学式を迎えたことに敬意を表する」と新入生にお祝いの言葉を送った。

 「この1年間を失われた1年だとネガティブに捉えるだけでなく、パンデミックの中で学んだことを未来につなげる必要がある」とし、就任当初から唱えている同大の教育の2本の柱について「コロナ・パンデミックという人類にとって未知の問題を経験した皆さんだからこそ、答えのない問題に対し自ら考え、解決策を考え出す『たくましい知性』を鍛え、自分とは異なる人々の考え方、感じ方を理解する『しなやかな感性』を育んでほしい」と呼び掛けた。

 そのために必要な教育環境を整備してきたとし、大学に設置されているグローバル・エデュケーション・センター(GEC)という全学共通の教育センターについて紹介。「たくましい知性」のための基盤教育と「しなやか感性」のための人間的力量の教育の2つの科目群を用意しているとし、「学部の垣根を越えて全ての学部の学生が履修することができる」と話した。

 他にも全学共通の科目として留学プログラムなどについても触れ、「国内や海外を問わず、どのような町や村にいても、どのような規模の企業や組織にいても、皆さんがグローバルな視野に立って、人類社会に貢献するグローバルリーダーになってほしい」と伝えた。

 また、「早稲田には学生が求めることはほぼできる環境が備わっている。その環境を十分に活用することで、自分のやりたいことに力を注いで、充実した学生生活を送ってほしい」と新入生を激励した。最後は「4年後には、よりたくましくなって、よりしなやかに輝いている皆さんを、今よりも輝いている早稲田大学がお送りしたい」との言葉で式辞を締めた。

 4月1日の第3回となる文化構想学部、文学部の入学式では、卒業生で作家の村上春樹さんがサプライズで登場し、祝辞を述べた。小説家になりたいと考える学生に向けて「頭ではなく、心で考えないと、良い小説は書けない。ただ、他人に読んでもらえる文章を書くのは頭を使うため、秀才・優等生ではないが必要に応じて頭が働く、というのがちょうど良い頃合い。早稲田はそういった作業に適した環境だと思う」と作家ならではの視点で新入生にお祝いの言葉を贈った。

 例年入学式に合わせて行われる新歓活動は、コロナウイルスの感染拡大防止のため、本年度はオンラインで開催。4月1日から4日までの各日9時から19時の間、ユーチューブライブで配信し、120を超えるサークルが出演した。初日となる4月1日の公式サイトへのアクセス数は15万回、ライブ配信の視聴回数は3000回だったという。

 文化構想学部の新入生は「会場に入り、人数の多さに驚くとともに早稲田大学に入学する実感を得た。全てが初めての環境でまだまだ不安も大きいが、大学で過ごす4年間は自分の心に従ってとにかく多くの経験をし、柔軟かつ芯の通った豊かな人間になりたい」と抱負を語った。

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