「高田馬場駅前ロータリー広場(新宿区高田馬場1、以下ロータリー広場)」が5月18日から、完全に閉鎖されている。
ロータリー広場は、待ち合わせ場所として多く使われるなど、高田馬場駅利用者などの団らんの場。新宿区は4月9日から、植栽補植工事の実施に伴い、広場の3分の2を閉鎖していた。緊急事態宣言の延長に伴い、5月7日には5月10日までだった閉鎖期間の延長を告知する張り紙を掲出。不要不急の外出・移動の自粛に加え、広場での飲酒を伴う集まりなどを控えるように呼び掛けてきた。
新宿区は完全閉鎖の理由について、「声掛けの効果が見られず閉鎖部以外での混雑や路上飲酒などが著しい状況が続いたため、踏み切った。工事に伴う一部の閉鎖はこれまでにもあったが、今回のような閉鎖は記憶にない」としている。
区の担当者は「広場を完全閉鎖することにより、人々が広場に滞留することがなく通過するので、3密を回避でき、新型コロナウイルス感染症の感染リスクの軽減につながると考えている」と言う。「路上における飲酒を伴う集会、ごみのポイ捨てや喫煙場所以外での禁煙など、迷惑行為が軽減する効果も期待した」とも。
「区民からも意見が寄せられている。総合的に判断した」(新宿区)という今回の完全閉鎖。ツイッター上では「はやくこうすべきだった」「こんなことにお金を使わなくてはいけないなんて」「ロータリー封鎖された馬場なんて、もう馬場ではないな」「思い出ありすぎて星野源とガッキーの結婚より浸っちゃう」「新宿区が本気出してきた....」「えっ…無くなるの??」「駅前のロータリーを封鎖した所で、意地でも路上飲みする人間は早稲田通りや戸山口側の駅通りの裏路地で屯するだけなんだよなぁ」(以上、原文ママ)などのツイートが見られる。突然の光景に撮影する通行人の姿も。
日曜を除く毎日、広場を清掃している学生サークル「早稲田大学 ロータリーの会」は広場が完全閉鎖されたことに伴い、広場が開放されるまで活動を停止している。代表の新井国憲さんは「率直に、本当に悲しい。僕たちはロータリー広場という場所が好きで、未来に『きれいなロータリー広場』という新しい文化を創造するために活動を続けてきた。新型コロナ感染対策とはいえ、高田馬場のシンボルがこのような殺風景なものになってしまったことは非常に残念。この場所に思い入れがあるのは、何も僕らだけではないはず。今後ロータリー広場が開放されたときに、どのような行為を選択するのか、広場利用者の一人一人が自問自答を繰り返すべきだと思う」と心境を語った。
新宿区の担当者は「高田馬場駅前広場をご利用の皆さまには、全面閉鎖によりご迷惑をお掛けするが、事態が収束するまで、しばらくの間、ご理解とご協力をお願いしたい」と呼び掛けている。
閉鎖期間は当面の間となっており、開放される時期は未定。