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早大が学内で無料のPCR検査、無症状の動向把握へ 「内閣官房と同程度の検出率」

早稲田大学の大隈記念講堂

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 早稲田大学(新宿区戸塚町1、以下、早大)が新型コロナウイルス感染症の予防対策として、全学的にPCR検査を6月1日、本格的に開始した。

早大が実施しているPCR検査受付の様子(画像提供:早稲田大学)

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 検査対象者は早大の学生と教職員、定期的に構内に入構するWasedaIDの所有者、科目等履修生など。試験的な運用として5月14日に予約を開始、5月20日に検査を始めた。5月28日には在学生などに向けてメールでPCR検査の協力を依頼し、6月からの本格的な検査に向け準備を進めてきた。

 文部科学省を通じ内閣官房から「感染拡大の予兆の早期探知のためのモニタリング検査」の協力依頼があり、今回の取り組みを行うことになった。検査場所は早稲田キャンパス、戸山キャンパス、西早稲田キャンパス、所沢キャンパスに設置。火曜~木曜の10時~16時に行う。検査費用は無料。

 早大は今回の検査で「『無症状感染者』数の動向を把握できる点を期待している」とする。初日の検査日は1200人以上の検査を実施。「これまでの検出率は0~0.2%程度。内閣官房が公表している検出率と同程度だが、今後も継続的に数値の変化を注視していく」という。

 検査の予約は専用アプリ「HELPO」を通して行う。検査実施日の3日前の正午までにアプリ上で予約をし、検査当日に検査場所で渡される検査キットで唾液を採取して受付に提出すると、2営業日後にアプリ内で検査結果を確認できる。

 ウイルスが検出された場合は医療機関を速やかに受診し、陰性が確定するまでは学内入構禁止・自宅待機の対応を取るよう促す。「PCR検査結果は偽陰性の可能性が否定できない」として、検査で陰性となった場合でもマスクの着用や3密の回避、黙食など従来の感染予防を徹底するよう注意を呼び掛けている。

 早大総務部総務課モニタリング検査担当は「今回の検査で無症状者数がゼロでないことが明確となり、構内での感染予防対策も一段と徹底する必要があることが分かった」と話す。「自覚症状がなくても新型コロナウイルス感染症に感染し、知らないうちに他人に感染させている可能性もあるので、1人でも多くの学生・教職員の皆さまに、モニタリング検査への参加協力をお願いしたい」と呼び掛ける。

 PCR検査を受けた早大生は「学生だと感染していても無症状という場合も少なくないと思うので、無症状感染者の数が把握できるようになるという意味でもこの学内PCR検査は重要な取り組みだと思う。今後発表されるであろうキャンパスごとの検査実施数、ウイルス検出率の変化などの結果を確認しつつ、引き続き感染予防対策を徹底していきたい」と話す。

 早大では対面とオンラインを併用する授業を継続しているが、現在のところ「学内では感染拡大の兆候は見られない」としている。周辺飲食店と協力し、「黙食」を啓発するポスターを掲示したり、学生に対面での課外活動の自粛を要請したり、昨年度に空調設備を整備するなど、継続的に感染症対策に取り組んでいる。

 現時点で終了時期は未定。政府の検査期間が終了すると、学内の検査も終了となる。

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