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西早稲田の「焼鳥はちまん」が「特製鶏そば」 「鶏専門店にしかできないものを」

西早稲田の「焼鳥はちまん」の皆さん(右から2番目が店主の安井章人さん、撮影のためマスクを外している)

西早稲田の「焼鳥はちまん」の皆さん(右から2番目が店主の安井章人さん、撮影のためマスクを外している)

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 西早稲田の「焼鳥はちまん」(新宿区西早稲田3)が5月18日、ランチ限定の「特製鶏そば」(900円)の提供を始めた。

西早稲田の「焼鳥はちまん」の「特製鶏そば」

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 「焼鳥はちまん」は1995(平成7)年、開店。1869(明治元)年創業のすし店「八幡鮨(やはたずし)」の地下に店舗を構え、「八幡鮨」の5代目となる安井章人さんが店主を務める。「八幡鮨」は安井さんの両親と兄夫婦が経営。父の4代目・安井弘さんはかっぱ巻きの考案者として知られる。

 日中は夜の営業の仕込みがあるため、これまでランチ営業はしてこなかった。ランチ営業もラーメンを提供するのも「初めての取り組み」という。コロナ禍で夜の営業が制限される中、何かできることがないかと考え、「特製鶏そば」の試作を約2カ月にわたり続けてきた。

 安井さんは「鶏の専門店だからこそできるラーメンにこだわった」と話す。これまでの営業で鶏ガラからスープを取ってきた経験を生かし、焼き鳥で提供している滋賀県の養鶏場「かしわの川中」の「淡海地鶏」の鶏ガラから取ったスープに愛媛県の醸造元「梶田商店」の「巽醤油(しょうゆ)」を加えたスープを完成させた。

 「料理は基本的に足し算するほうが楽。素材だけで仕上げるのに苦労した」と安井さん。「はちまんさんがやるなら」と「巽醤油」から商品にない絞りたての生のしょうゆを提供してもらったという。スープと合わせた時にしょうゆの香りが一番出る温度を模索し、現在のスープにたどり着いた。

 「焼鳥はちまん」と「梶田商店」の付き合いは15年ほどになる。早稲田の酒店「三伊井上酒店」(早稲田鶴巻町)が「梶田商店」に声を掛け、小学生を対象にした「手前味噌(みそ)の会」を「焼鳥はちまん」で毎年開催するなど、親交を深めてきた。「巽醤油」は「三伊井上酒店」でも購入できる。

 「淡海地鶏」の雌のお尻から湯煎しながら取った鶏油(チーユ)を使うなど、これまでの付き合いのあった取引先から協力を得ることで、今回の「特製鶏そば」が完成した。安井さんは「人とのつながりの大切さを実感した」と話す。チャーシューは鶏のムネ肉、モモ肉を手作業で真空パックにしたものを低温調理して提供、混ぜ物なしの鶏団子(つくね)も添える。創業時からの定番メニュー「ミニそぼろ丼」を付けたセットの価格は1,300円。トッピングですだちとユズコショウ(50円)も用意する。

 安井さんは「巽醤油の香りを最大限に引き出すべく、魚介を使わずシンプルに仕上げた。毎日食べたい、うま味と油。飽きのこない一杯を目指した。沸かさないようにスープを取り、すっきりしているがコクのあるスープ。鶏のプロとして、細かいところまでこだわった。緊急事態宣言が解除されても、ランチに『特製鶏そば』の提供を続けていきたい。一度賞味いただければ」と呼び掛ける。

 ランチ営業は11時~14時。月曜定休。緊急事態宣言中は、夜の営業は休業。土曜・日曜の17時~19時で焼き鳥のテークアウトに対応する。

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