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日本点字図書館、高田馬場で80年 移転当時の写真提供呼び掛け

日本点字図書館 触察模型(縮尺15分の1)

日本点字図書館 触察模型(縮尺15分の1)

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 点字図書と録音図書の製作・貸し出しなどを行う日本点字図書館(新宿区高田馬場1)が、現在の場所に移転して80年となることを契機に、感謝を伝えるポスターを掲示するとともに、移転当時の点字図書館や周辺の写真の提供を呼び掛けている。

写真提供を呼び掛ける日本点字図書館の伊藤宣真さん

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 同館は1940(昭和15)年、自身も視覚障がい害者だった本間一夫さんが雑司ヶ谷に創立した「日本盲人図書館」が前身。翌年、高田馬場に移転し、1948(昭和23)年に「日本点字図書館」と改めサービス提供を行っている。

 1943(昭和18)年、日本初の独立した点字図書館棟として完成した木造モルタル2階建ての建物は、1945(昭和20)年5月25日のアメリカ軍による空襲で全焼した。2300冊の点字図書等の資料は疎開し焼失は免れている。この前後にも増改築が繰り返されており、移転当時からの建物の様子を伝える資料が少なく全容が明らかでないという。移転から80年を迎える今年、同館本部長・常務理事を務める伊藤宣真さんの発案で当時の建物が写っている写真提供を呼び掛けている。

 現在の点字図書館は、1996(平成8)年3月に敷地の西側に地上4階建ての本館が、1998年(平成10)年3月に東側に地上3階、地下2階建ての別館が完成し現在に至っている。

 設計はいずれも鈴木エドワード建築設計事務所。本館正面の壁面を覆うステンレス製の鎖は「知の滝」と呼ばれ、ナイアガラの滝のようにあふれる水のイメージで、集まりあふれる「知識」を表現しているという。同館では、訪れる人が触って建物を立体的に知ることができるようにと、2018(平成30)年から触察模型(縮刷15分の1)を置いている。今回の写真提供の呼び掛けは、旧館の模型製作のための資料にする目的もあるという。

 伊藤さんは「模型に触れて初めて正面玄関の左右に植栽があることを知ったという利用者もおられた。旧館の様子も触察模型として残しておきたい。当時を知る人も、当時の様子を伝える写真も少なくなっている。80年の節目に写真提供を呼び掛けたいと考えた」と話す。

 写真については「建て増しと建て替えで、たびたび姿を変えている。1941(昭和16)年~1975(昭和50)年くらいまでの写真がお手元にあれば知らせていただきたい。お借りして当館でデータ化して保存したい。模型製作のためにも、いろいろな角度から撮った写真が欲しい。お子さんを写した写真の背景に建物の一部でも写っている写真でもありがたい」と呼び掛ける。

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