高田馬場・早稲田周辺の飲食店でも6月21日、緊急事態宣言からまん延防止等重点措置(以下まん防)へ移行したことに伴い、酒類の提供を再開した。
エリア内にある飲食店の多くは、緊急事態宣言最終日となる6月20日まで臨時休業や時短営業・アルコールを提供しない営業を継続してきた。前回の緊急事態宣言延長時には、休業補償を受けずに感染症対策をした上で酒類提供を再開する居酒屋が増加。事業者により判断が分かれていた。
まん防への移行で、都は「同一グループでの入店は2人以内」「酒類の提供は11時から19時」「利用者の滞在時間90分まで」という条件を付けている。要請に応じる飲食店では、都の条件を周知したり、都が公表する「飲食店等に関する質問と回答(新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置)」に沿った案内をしたりと、対応に追われている。
6月21日夜の高田馬場駅周辺の人出は、大きな増加はないように見えたものの、要請に応じる飲食店が閉店する20時以降には、路上などで外飲みする人の姿が見られる。感染症拡大防止などの観点から完全に閉鎖されている高田馬場駅ロータリー広場周辺には、高田馬場駅に向かう通行人が多く見られ、立ち止まって談笑する人は少ない様子だった。
4月25日の緊急事態宣言発令以降、休業を続けてきた居酒屋の店主は「厳しい状況下だが、まずは営業を再開できるてうれしい。まだまだ外食を懸念する人が多い世の中だが、ちょっとした息抜きに来店してもらえればと考えている」と営業再開を喜ぶ。
都の要請に応じず、独自に感染症対策を行い酒類を提供してきた居酒屋の責任者は「今日もおかげさまで満席。働いている分には、まん防の前と何も変わらない。今日は電話の問い合わせが多く、飲みに行くのを今日で解禁している人が多い印象」とまん防初日の感想を話す。
「お客さんを見ていると『緊急事態宣言中なのに飲みに来ている背徳感』という雰囲気はどんどん薄れてきていた。そういう雰囲気なので、時短営業のお店の客入りは良くないと思う。周りの店が時短していると、当店は得だが、飲食業界の店同士の競争という点では健全ではない。早く、多くの店が通常営業に戻れば」と話す。
テークアウトなどを行い都の要請に従ってきたバルの店主は「当店のような小さい店は、隣り合ったお客さん同士で会話が弾むのがいいところ。致し方無いが、入店が2人以内に制限されているので、隣同士でも会話しないで欲しいということかと思う。小さい店の魅力を否定されているようにも感じてしまい、複雑な心境。早く新型コロナが落ち着いてほしい」と話す。
まん防は7月11日まで。