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早大建築学科の作品展 「役に立たない機械」などユニークな課題に学生が挑戦

中谷スタジオの課題「役に立たない機械」の作品「自分、曲げておきました」。ストローを曲げる行為を機械化した(提供:設計演習A だけど/だから展)

中谷スタジオの課題「役に立たない機械」の作品「自分、曲げておきました」。ストローを曲げる行為を機械化した(提供:設計演習A だけど/だから展)

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 早稲田大学創造理工学部建築学科の科目「設計演習A」で制作した作品を展示する「だけど/だから展」が、早大早稲田キャンパス内にあるワセダギャラリー(新宿区西早稲田1)で8月18日~20日に開催される。

山崎スタジオの課題「100均ブリッジ」の作品「カテナリー」

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 「設計演習A」は早大建築学科の1年生が秋学期に履修する科目。学生は4グループに分かれ、3週間ごとに4人の担当教員のスタジオを回り、各教員から出されるユニークな課題に対して作品を仕上げる。

 例年は各教員から1週間で仕上げる課題2つと3週間かけて仕上げる課題1つが出され、学生は1学期を通じて12の課題に対して作品を仕上げる。教員から出される課題がグループごとに異なることも特徴。

 「設計演習A」で制作した作品の展覧会は、前年に受講した有志の2年生によって、毎年開催されてきた。展覧会の開催は必須ではないが、約10年にわたり開催されているという。昨年の設計演習A展覧会「Q&」は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、初めてオンラインで行われた。この展覧会を見たことで、早大建築学科を目指す高校生も多いという。

 前年度の「設計演習A」の講義も展覧会と同様に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、オンラインで行われた。例年よりも課題の数が少なくなったが、「だけど/だから展」に参加する関根敬介さんは「1つの課題に対して3週間かけられるのは、例年にないこと。じっくり考えることができた」と前向きに話す。

 取り組んだ課題は、矢口哲也教授からは空想の都市を描く「空想都市の地図」、中谷礼仁教授からはテレビ朝日の「タモリ倶楽部(くらぶ)」でも取り上げられる「役に立たない機械」、美術家の小阪淳さんからは自分だけが知っている美を見つける「知られざる美の名」、建築家の山崎健太郎さんからは100円ショップで買ってきたもので橋を作る「100均ブリッジ」。

 「だけど/だから展」という名称はコロナ禍で「『コロナだから…』と『だから』を前提としてしまいがちな今日、『だけど頑張る』と『だけど』を大事にしたい」という気持ちを分数の形で表現したもの。今年の展覧会は学生25人が参加し、約70作品を展示する。

 同展に参加する毒島美空さんは「私は高1の時に訪れた設計演習A展で早稲田建築を第1志望に決めた。展覧会に踏み入った瞬間、作品の迫力に圧倒されたのを今でもよく覚えている。『こんな課題やってみたい』『こんな考えをする人たちと一緒に学んでみたい』という思いが込み上げた。設計演習A展は誰かにエネルギーを与えられる展覧会だと思う。足を運んでもらいたい」と呼び掛ける。

 関根さんは「設計演習Aは、4人の先生から出題される課題によりさまざまの視線を得られた大切な授業だった。足を運んでくれる方々に学生が制作した作品を見てもらうとともに、存分に楽しんでもらいたい」と話す。

 関連イベントとして、「『役に立たない機械』早慶戦 2021 +公開シンポジウム」がオンラインで8月18日、開催される。慶応義塾大学でも行われているという「役に立たない機械」課題の近年の優秀作を集めて、講評などを行う。

 開催時間は10時30分~17時(20日は14時30分まで)。入場には公式サイトからの事前申込みが必要。

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