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早大発の名物課題「役に立たない機械」が初の「早慶戦」 オンラインで一般公開も

早稲田大学の建築学科がある西早稲田キャンパスと慶應義塾大学の環境情報学部がある湘南藤沢キャンパス(SFC)の様子(左から)

早稲田大学の建築学科がある西早稲田キャンパスと慶應義塾大学の環境情報学部がある湘南藤沢キャンパス(SFC)の様子(左から)

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 「『役に立たない機械』早慶戦 2021+公開シンポジウム」が8月18日、オンラインで開催される。

「『役に立たない機械』早慶戦 2021」に出場予定の早大生の作品「自分、曲げておきました」

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 「役に立たない機械」は、早稲田大学創造理工学部建築学科の1年生が秋学期に履修する「設計演習A」の課題の1つ。「課題内容と生徒が提出する作品がユニークだ」という評判から、2年に1度のペースでテレビ朝日の番組「タモリ倶楽部」が取り上げ過去5回、放送している。

 「設計演習A」は、学生が4つのグループに分かれて4人の担当教員から順番に講義を受け、デッサンの基礎から立体作品までの製作を通して感性を磨く授業。「役に立たない機械」は課題の一つで、2007(平成19)年から建築学科の中谷礼仁教授が担当している。

 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下SFC)の授業「デザイン言語総合講座」では、2017(平成29)年度から「役に立たない機械」に取り組み始めた。講義は、環境情報学部の石川初教授が担当する。石川教授はランドスケープアーキテクチュアや地理、地理教育などが専門。2015(平成27)年に早大から慶大に移籍するまでは、非常勤講師として「設計演習A」に関わっていた。両教授の親交もあり、SFCの「役に立たない機械」の講評会には4年前からゲストとして中谷教授も参加していたという。

 昨年度は、コロナ禍で「設計演習A」がオンライン授業になったり、今年予定されていたタモリ倶楽部の撮影がなくなったりしたことから、例年とは異なる学生生活を送る学生を鼓舞するために何かできないかと中谷教授が考え、今回の早慶戦を企画。石川教授に持ち掛け実現した。

 イベントは、zoomで開催する。登壇するのは、早大から中谷教授と建築学科教授の矢口哲也教授、SFCからは石川初教授と環境情報学部の中西泰人教授。ほかゲストの登壇も検討している。イベント冒頭にイントロダクションを行ってから「役に立たない機械 早慶戦」に入り、授賞式を行って締めくくる。イベントでは、学生の作品発表と教員のディスカッションを通して同一名の課題に対する両校の解釈の相違点を探り、「役に立たない機械」を大学の課題で行う意義について考えるという。

 中谷教授は「『役に立たない機械』は非常に深い意味を持っている課題。初めての一般公開で、これこそ『役に立たない授業』であり、それも早慶戦で2倍おいしい。それぞれの大学の違いも味わいながら、ぜひ楽しんで見てもらえれば」と呼び掛ける。

 開催時間は13時~17時40分。

 イベントに合わせて早大側では、早稲田大学早稲田キャンパスにあるワセダギャラリー(新宿区西早稲田1)で8月18日~20日、「役に立たない機械」を含む「設計演習A」での学生課題を一堂に集めて展示する「だけど/だから展」も開催する。

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