早稲田大学の2021年度秋学期の授業が9月24日、始まった。
早大の春学期の授業は、昨年度と比べて大幅に対面の授業が増加。昨年12月に発表した「2021年度春学期は対面授業7割」を強く意識していたことがうかがえる。4月末の緊急事態宣言以降も授業を全面オンラインに切り替えず、予定していた授業形態を維持してきた。
授業形態の維持に当たっては、春学期に無料のPCR検査やワクチンの大学拠点接種を実施。ワクチン接種は7月から約2ヵ月間に渡り実施し、「約3万人が2回の接種を終えた」(早大)という。学生の課外活動に一部制限を設けたほか、大人数の講義をオンラインで実施したり、学食や近隣飲食店での黙食を呼び掛けたりなど感染拡大防止にも取り組んできた。
一方で、秋学期のシラバスによると全ての授業を対面で行う「対面」と対面とオンラインを組み合わせる「ハイブリッド」を合わせた比率は55.4%で、春学期(55.7%)と同程度。「オンデマンド」授業の一部では対面を想定するなど、「対面7割」を堅持したい考えが見て取れる。
例年、多数の来場が見込まれる秋学期に実施のイベントのうち、卒業生の祭典「稲門祭」(10月24日)はオンラインで、「早稲田文化芸術週間」(10月11日~21日)はオンラインを中心に、それぞれ開催。学園祭の「早稲田祭」(11月6日・7日)は、オンラインとオフラインを組み合わせるハイブリッド開催を予定している。大学構内への入場について詳細な発表はないものの、密を避けるために何らかの方法で制限を設けそうだ。
教育学部の4年生は「最後の学期なので、コロナ前と同じ学生生活を過ごせないのは寂しい部分もある。ただ昨年はほとんどがオンライン授業だったので、今年は対面授業も多くうれしい。制限がある中でも最後の学生生活を楽しみたい」と話す。
理工学部の修士2年生は「シラバスを見たところ、対面授業が増加した春学期と同じような内容だと思った。春学期と変わらないということで、安心して授業を受けることができるのがありがたい」と話す。
政治経済学部の3年生は「春学期に単位を落としてしまった。今期はオンラインのみのフルオンデマンドの単位を多く履修することにした。就活が本格化する中で課題を終えられるかどうか不安」と話す。
秋学期の授業終了日は来年2月1日。