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新派俳優による朗読「十三夜」、大隈記念講堂小講堂で公演

リーディング新派inエンパク「十三夜」波乃久里子さん、柳田豊さん、伊藤みどりさん

リーディング新派inエンパク「十三夜」波乃久里子さん、柳田豊さん、伊藤みどりさん

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早稲田大学大隈記念講堂小講堂(新宿区戸塚町1)で12月15日、波乃久里子さんら新派俳優による、樋口一葉の小説「十三夜」の朗読とアフタートーク公演が開催された。

「リーディング新派inエンパク」出演者の皆さん

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 現在開催中の秋季企画展特別展「新派SHIMPA アヴァンギャルド演劇の水脈」の関連公演として、早稲田大学演劇博物館が「リーディング新派inエンパク」と題して行った。同館は新型コロナウイルス感染症対策のため対面での公演を自粛してきており、今回がおよそ1年ぶりとなった。入場は事前予約制とし、定員も半数以下の130人とした。

 企画した後藤隆基さんは「新型コロナウイルス感染症の影響で、対面でのイベントが開催できるのかという不安がある中で、音と声に特化した朗読というスタイルに可能性を見いだした。一方で、『十三夜』は初代水谷八重子が自ら選んだ『八重子十種』にも数えられる作品だが、現在は新派公演でも上演されることが少ない。初代八重子の技芸を受け継いだ波乃さんをはじめ、柳田豊さん、伊藤みどりさん、喜多村緑郎さんという俳優陣による朗読でこの作品を上演する機会がつくれたことが感慨深くありがたい」と思いを込める。

 アフタートークでは波乃さんが、初代水谷八重子が原作に忠実に演じるためにと、着物の袖口の色を左右で変えたじゅばんを用意していたという工夫などを話した。喜多村さんは、歌舞伎役者時代の師、市川猿翁さんとのエピソードなどを紹介。構成・演出を担当した齋藤雅文さんの演出により、舞台上で効果音を担当した堅田喜三代さんが、玄関戸の音、汽笛の音などについて実演して説明するなどした。

 齋藤さんは「『リーディング』というものは、日本ではまだ定義しにくい。低予算で手軽にやれるということでの取り組みも多いが、今日の『十三夜』は当代最高の配役で、それを音に特化して聞かせるという高い水準。決してお手軽にできるものではなかった。本当にぜいたくなことをさせていただいた」と話した。

 今回の企画について、「『十三夜』は骨格のしっかりした芝居で、古いようだけれども、家系があって、家族があって、それに人々が翻弄される。格差社会の話であり、『親ガチャ』の話でもある。これは普遍的なテーマであり、若い人たちにも見ていただければ理解が得られると思う。企画展のタイトルにある『アヴァンギャルド演劇』という意味では、今日、ここで『十三夜』を上演できたこと自体が『アヴァンギャルド』だ」とも。

 秋季企画展「新派SHIMPA アヴァンギャルド演劇の水脈」は1月23日まで。関連公演として、新派俳優による朗読劇「黒蜥蜴-演劇博物館特別篇-」を1月21日に開催する。

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