クリスマスイブの12月24日夜、あいさつ回りをするよろい武者が高田馬場かいわいを歩き人目を引いた。
あいさつ回りを行うのは、高田馬場駅前の居酒屋「極ッ(ゴッツ) 高田馬場」(新宿区高田馬場2)店主の金澤和輝さん。同店は3時まで営業する駅前店ということもあり、営業を終えた同業者らが仕事帰りに立ち寄ることから、店に来てくれる仲間たちへのお礼の気持ちから始めたという。
開店の翌年2014(平成26)年から年末のあいさつ回りを続けているが、昨年は、戦国武将真田幸村のよろいかぶと身に着けた後に、新型コロナウイルス感染症感染拡大を考慮して急きょ取りやめた。今年は、23日、24日の2日間にわたり、26軒ほどの飲食店を回った。
今年のいでたちは、米沢藩の武将直江兼続。「愛」の文字を頂いた「六十二間筋兜」(ろくじゅうにけんすじかぶと)に、すれ違う男性から「直江兼続」だという声や、若い女性から「かわいい」などの声が聞こえたという。
24日に最初に訪れた芳林堂書店高田馬場店では、同店4階の歴史コーナーで中世ヨーロッパの武器や甲冑(かっちゅう)、レプリカの日本刀などを扱っている。同コーナーを担当する大内学さんが甲冑を身に着け、朱色の杯と日本酒を用意して出迎えた。
大内さんは「何を身に着けて出迎えるか、あれこれ考えた末に選んだいでたちが金澤さんと同じになってしまった」と苦笑しながら、「来年は、甲冑を身に着けて一緒に街に出たい」と話す。
金澤さんは「若い女性からよろい武者姿が『かわいい』と言われて、なんとも面白く思った。来年はコロナが落ち着いて、マスクなしで歩いて、みんなで楽しくワイワイできるようになれば」と願いを込める。