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こはぜ珈琲早稲田店で講談会 神田松麻呂さんを迎え全5回連続読み

「講釈場こはぜ」 神田松麻呂さんの講談公演の様子

「講釈場こはぜ」 神田松麻呂さんの講談公演の様子

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 自家焙煎(ばいせん)コーヒー専門店「こはぜ珈琲(コーヒー) 早稲田店」(新宿区西早稲田1)が、講談師の神田松麻呂さんを迎え、講談「畔倉重四郎」の連続読みを全5回にわたって開催した。

店主の谷川隆次さん、神田松麻呂さん、黒川麻衣さん(左から)=こはぜ珈琲早稲田店で講談会

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 同店では、落語会や演芸等のイベント企画制作を手がける「娯楽百貨」プロデュースによる落語会を定期的に開いている。店主の谷川隆次さんは演劇の仕事に携わっていたことがあり、「娯楽百貨のプロデューサー黒川麻衣さんはその頃からの知り合いで、お互いに何か一緒にやりたいという思いを持っていた」と話す。

 黒川さんは落語会が地域の人々に親しまれている様子から、講談もできないかと考え、松麻呂さんを伴い同店を訪れる。講談の釈台を入れて会場をしつらえることができるかなどを確認していたところ、居合わせたスタッフから「通しでやるんですか」と声をかけられたことがきっかけとなり、その場で「講釈場こはぜ」として「畔倉重四郎」全19話を毎週水曜、5週にわたる連続読みで行うことが決まった。

 黒川さんは「5週にわたる連続読みが開催できる機会は少ない。若手の活躍の場としてこのような場があることが本当にありがたい」と言う。

 松麻呂さんは「こんな狭い所でできるかなと思ったが、お客さまとの距離が近く、細かい心情の変化を表す表現が伝わりやすい。初回から最前列で何度もうなずきながら聴いている方の反応など、皆さんが話に集中して聴いてくださっていることが伝わってきた」と振り返る。

 同店が大隈通りの路面に面していることから「日照りの場面で雷が鳴ったり、『何をやっているんだろう』という表情で通りを行き交う人が見えたりなど、店の外の様子も合わせて空間を一緒に作ることができるこの場が大好きになった。これで終わってしまうのが寂しくて、最終日は『今日はやりたくないな』と思ったほど」とも。

 20席ほどの席は、近隣の大学の学生・住民、仕事終わりのサラリーマンなど多様な人々で毎回ほぼ満席となった。

 8月28日の最終日には、通し券を購入して来場した客に、谷川さんが松麻呂さんをイメージしてブレンドした「神田松麻呂ブレンド講釈場こはぜ限定」のドリップバッグを進呈。来年8月から「慶安太平記」の7週連続みの公演を行うことも発表した。80代の女性客から「ファンになった。真打ちになるまで見届けたい」と話しかけられた松麻呂さんは「もう、ここは私の城。この講談会が地域の夏の風物詩になれば」と笑顔を見せた。

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