下落合にある引き染め工房「ふじや染工房」(新宿区高田馬場3、TEL 03-3368-8559)が5月3日、「親子de手ぬぐい染め体験!!」を開催する。
「親子de手ぬぐい染め体験!!」で染める手拭いのサンプル その1
「ふじや染工房」は1952(昭和27)年創業。絹の生地をはけで染める「引き染め」の工房で、着物1着分、1反(約13メートル)の生地をピンと張り、一気にはけで染め上げるのが特徴。3代目の中村隆敏さんは「絹のつやを損なわない染め方で、良い発色、深い色、つや感が特徴」と話す。
新しい取り組みにも積極的な中村さん。昨年には職人と一緒に生地、色作り、柄選びをして、全ての工程を請け負う「完全オーダーメード着物」を始めた。生地の表と裏を違う色で染めることで、さまざまな色の見え方が楽しめる新しい染め方「兼彩引染」も発表。児童館での実演や図書館イベント、社会見学への協力など、伝統工芸を身近に感じてもらう取り組みもしている。
ゴールデンウイークに合わせて企画した今回の体験会。社会見学などで子どもの反応がいいことや、子どもに知ってもらわなければ引き染めが失われてしまうかもしれないという思いもあり、より多くの人に知ってもらうために、初めて企画した。
体験会では、1人1枚、約1メートルの木綿の手拭いを引き染めする。指ではじいたり、手形を付けたり、はけで線や絵を描いたりすることで自由な柄を作ることができる。のりを手に付け塗り分けるため、染料に直接手で触れることはない。工房は乾燥の工程で必要になる湿度調整などのために土間になっており、反物を張れるだけの広さのある職人の工房を体験できる。中村さんによる実演や座学も行う。
中村さんは「染色は新宿区の地場産業で、伝統を守るだけではなく、革新的なことにも取り組んでいるが、まだまだ知られていない。ゴールデンウイークに伝統技法に触れてもらい、良い思い出にしてもらえれば」と呼びかける。
料金は親子1組=4,400円、追加1人につき子ども=1,500円、大人=2,000円。申し込みは4月30日まで。染め上げた手拭いは乾燥し色を定着させた後、着払いで発送する。工房での受け渡しも可能。